「誰が考えてこんなにした?」駿河湾沼津SAの“予約駐車マス”にトラック乗り困惑 実際に使った人からも「予約時間の調整が大変」の声

駿河湾沼津SAに設けられた大型車向け予約駐車マスがXで話題になった。空いているのに一般車両は利用できず、実際に浜松SAで予約マスを利用したドライバーからも「予約時間の調整が大変」との声が上がる。制度導入の背景と課題を探った。

「一台も止まってない」空いた予約マスに疑問

新東名・駿河湾沼津SAに設置されたトラック向け予約駐車マスをめぐり、X上でドライバーから疑問の声が上がった。

投稿者はゲートで仕切られた駐車エリアの写真とともに、「誰が考えてこんなにした? 一台も止まってない」「現場の事何も分かってねーな」と投稿。空いている駐車スペースを目の前にしながら、一般の大型車が自由に利用できない仕組みに疑問を呈した形だ。

ただし、この写真は特定の時間帯を撮影したもの。これだけで予約駐車マス全体の利用率が低い、あるいは制度が機能していないと判断することはできない。

NEXCO中日本は2026年4月15日から、新東名の浜松SA上下線と駿河湾沼津SA上下線で駐車場予約システムの実証実験を開始した。背景には、大型車が夜間にSA・PAへ集中し、必要な休憩場所を確保できないという問題がある。予約制であれば、トラックドライバーが「到着したのに満車で停められない」という事態を避け、休憩場所を事前に確保できるようになる。

駿河湾沼津SAでは上り15台、下り5台が予約駐車マスとなっており、利用にはモニター登録やETC2.0などが必要。予約車両以外は、たとえマスが空いていても予約エリアを利用できない。

実際に使ったドライバー「予約時間の調整するのが大変」

興味深いのは、投稿への返信に実際の利用経験者が現れたことだ。

浜松SAの予約駐車マスを利用したというドライバーは、

「試しに浜松SAで予約して止まった事あります〜〜 予約駐車枠、遠すぎ 最大12時間 予約時間の調整するのが大変」

とコメントしている。

ここで注目したいのが「予約時間の調整」という問題だ。トラック輸送では渋滞だけでなく、荷積みや荷降ろしの待機、配送先の都合などによって予定時刻が変化することもある。その中で事前に休憩場所と時間を決める仕組みは、確実に駐車できるメリットがある一方、運行状況によっては使いづらさにつながる可能性もある。

なお、返信にある「最大12時間」という数字は利用者自身の投稿によるもの。NEXCO中日本の現在の案内では「実証実験の状況により最大予約時間などを変更する場合がある」とされているものの、浜松SAについて最大12時間との具体的な数字は公式ページでは確認できない。

予約制はドライバーの休憩問題を解決できるのか

(画像出典:NEXCO中日本HP https://www.c-nexco.co.jp/activity/parking-reserve/ )

予約駐車マスそのものは駿河湾沼津SAだけの取り組みではない。NEXCO中日本では浜松SAや豊橋PAをはじめ、複数のSA・PAで予約駐車システムの社会実験を進めている。

ただし、予約制にも課題は指摘されている。国土交通省の資料によれば、2019年から東名・豊橋PA下りで行われた予約駐車の社会実験では、予約したにもかかわらず実際には利用されない「空予約」などによる駐車効率の低下が発生。その後、対象を有料化した際には近隣の無料SA・PAへ車両が流れ、利用台数が減少するという現象も確認された。無料で予約枠を用意すれば空予約が増えやすく、有料化すれば利用者離れが起きる——このジレンマは、今回の駿河湾沼津SAや浜松SAの実証実験にも同様に当てはまりうる。

なお、これに対しては「一般車もお金を払ってでも確実に停めたい」という声や、豊橋PA(東名下り)にも同様の枠があることを踏まえ、高速バス専用の予約枠を求める意見も寄せられている。トラックに限らず、誰にどの枠を優先的に割り当てるべきかという議論に広がりつつある。

確実に休める場所を用意したい道路会社側と、刻々と変わる運行状況に合わせて休憩したいドライバー側。今回の投稿は一つの時間帯、一人のドライバーから見た光景にすぎない。しかし実際の利用者からも予約時間の調整について声が上がり、さらにトラック以外からも予約枠を求める声が出ていることを考えると、単に予約マスの台数を増やすだけでなく、車種や用途に応じて枠をどう配分し、稼働状況を可視化しながら「使いやすい予約制度」に近づけていけるかどうかが、今後の実証実験の焦点になりそうだ。

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