知られざるトラック荷台の専門パーツ!その名前と役割とは

トラックの荷台には、ウイングロックやエビ金、ロープ通し、床フックなど、乗用車では見ない専用パーツが数多く備わる。それぞれが荷物を安全・確実・効率的に運ぶため、現場の知恵から生まれた重要な装備なのである。

街中を走るトラックの後部には、荷物を運ぶための装備として大きな荷台がついている。一見すると、ただの「大きな箱」や「平らな台座」に見えるだろう。しかし、その細部には乗用車ではまずお目にかかることのない、以下のような専用パーツが組み込まれているのである。

荷台をしっかり固定する専用パーツ

・ウイングロック
箱型トラックの中でも、側面が大きく開く「ウイング車」。その側面の裾部分についている堅牢な固定装置が、「ウイングロック」だ。暴風や振動から、荷台を守る重要なパーツである。レバー操作で強固なロックがかけられるのだが、単にウイングが開かないようにするだけではない。走行中の激しい振動や横風で荷室が歪むのを防ぎ、気密性を保つという重要な役割も担っているのだ。

・エビ金
平ボディやダンプの荷台を囲む開閉式の板を、「アオリ」と呼んでいる。これを閉じた状態で固定するための金具が、エビの形に似た固定具である「エビ金」だ。バネの力を利用してワンタッチでロックできることから、「バネカン」や「アオリキャッチ」ともいわれている。レバーの曲がりくねった形状が、エビの姿に似ていることが名前の由来とされている。熟練ドライバーは指を挟まないコツを身につけており、手際よくと開閉する姿は職人技の域といえよう。

荷物の種類に合わせた工夫

・ロープ通し
アオリの下部に開けられた楕円形の穴で、別名「ねずみ穴」とも呼ばれている。その名の通り、荷締め用ロープを通すためのものだ。アオリを立てた状態のままで、床枠にあるフックへロープを繋げることができるため、シートを掛ける作業の効率が格段に高まる。専用パーツを使用すれば、新車時に穴がなくてもあとから取り付けられるほか、増設することも可能だ。

・スタンションガイド
荷台の床面に設置されている、金属製のポール(支柱)を差し込むための台座。丸太などの木材や鋼管といった長尺物を積む際、サイドに棒を立てて荷崩れを防ぐためのものだ。「木材用」と「鋼材用」というように、運ぶ荷物に合わせて耐久性や形状が異なる。長尺の重量物を、安全に運搬するための要となるパーツだ。

走行中の荷崩れを防ぐ固定装備

・床フック(フロアフック)
荷台の床に、埋め込まれているリング。走行中に荷物が動いたり転倒したりするのを防ぐために、荷締めベルトやロープを引っ掛けて固定する金具だ。使わないときは倒しておけば床面とフラットになるため、フォークリフトなどで荷物を積み込むときに邪魔にならない。

・ラッシングレール
箱車の内壁に取り付けられた、穴だらけの金属レール。専用ベルト(ラッシングベルト)のフックを引っかけることで、荷物が走行中に動くのを防止する。荷物の高さに合わせて固定位置を変えられるため、引越しや精密機械の搬送には欠かせない。

普段、何気に街中を走っているトラックだが、その荷台には「安全かつ確実に、しかも効率よく荷物を運ぶ」という、現場の知恵と工夫が生み出したパーツが多数組み込まれているのだ。乗用車と一味違った質実剛健なプロツールが、日本の物流を陰から支えているといっても決して過言ではないのである。

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