冷凍車が突然霜取りするのはなぜ?荷物への影響は?

冷凍車は走行中でも、冷却器に付着した霜を取り除くため「デフロスト」と呼ばれる霜取り運転を行う。デフロスト中は一時的に冷却を停止するが、正常な作動であれば積荷の温度が急激に上昇する可能性は低い。むしろ安定した冷却を続けるために欠かせない機能だ。

冷やし続けるほど霜が付く理由

冷凍車や冷蔵車の冷凍機は、荷室内の空気をエバポレーターと呼ばれる冷却器に通して温度を下げ、その冷気を再び荷室へ送り出している。

ところが、荷室の空気には水分が含まれている。冷えたエバポレーターに空気が触れると水分が結露し、温度が低い場合は凍結して霜になる。

特に霜が付きやすいのが、配送先で荷室のドアを何度も開閉する使い方だ。ドアを開けるたびに外部から暖かく湿った空気が入り、その水分が冷却器に付着する。冷凍機を動かしたまま長時間ドアを開けている場合も、霜が増えやすい。

少量の霜なら冷却性能に大きな影響はない。しかし霜が厚くなると、エバポレーターの細かなフィンの隙間を塞ぎ、空気が通りにくくなる。

さらに霜自体が断熱材のような働きをするため、冷却器の冷たさを効率よく空気へ伝えられなくなる。つまり、冷却を続けた結果できた霜が、逆に「冷えない」原因になってしまうのだ。

デフロストは冷却能力を戻すための機能

霜による冷却能力の低下を防ぐために行われるのがデフロストだ。

冷凍機は一定時間が経過した場合や、制御装置が霜の付着を判断した場合などに、自動的にデフロスト運転へ切り替わる。機種によってはドライバーが手動で開始することもできる。

霜の溶かし方は冷凍機によって異なるが、代表的なのが「ホットガスデフロスト」だ。通常は冷却に使っている冷媒の流れを切り替え、高温の冷媒ガスをエバポレーターに流して霜を溶かす。

電気ヒーターを利用して霜を溶かす方式もある。溶けた霜は水となり、ドレンホースなどを通って車外へ排出される。

デフロスト中に冷凍機の作動音が変化したり、冷却運転が一時的に止まったりすることがあるため、初めて経験すると故障したように感じるかもしれない。

しかし正常なデフロストであれば、これは冷却を休んでいるのではない。霜を取り除き、本来の冷却性能を取り戻すために必要な運転なのである。

デフロスト中でも荷物は大丈夫?

気になるのは、霜を溶かすためにエバポレーターを温めた際、荷物まで暖まってしまわないかという点だ。

一般的な冷凍機では、デフロスト中に発生した暖かい空気が荷室へ大量に流れ込まないよう制御されている。機種によってはダンパーを閉じ、暖気が荷室へ流れることを防ぐ構造も採用されている。

デフロスト中に表示される庫内温度が一時的に上昇することもある。ただし、センサーがエバポレーター周辺の温度上昇を拾っている場合があり、表示温度と積荷そのものの温度が同じように上昇しているとは限らない。

また、冷凍食品や飲料、パレット単位の積荷などは空気よりも熱容量が大きい。短時間周囲の温度が変化しただけで、商品の中心温度まで急激に上昇するわけではない。

ただし、デフロストが異常に頻繁に作動する、いつまでも終了しない、終了後も設定温度まで下がらないといった場合は注意が必要だ。

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