NYでもトヨタ車が圧倒、イエローキャブ事情。初乗り9ドルだけじゃ足りない料金のカラクリとは

2026年の年初から加速するドル高円安。ガソリン価格も下がる気配はなくジワジワ円安とともに高くなっている昨今、原油産出国のアメリカはニューヨーク(NY)でタクシーに乗ってみた。現在、イエローキャブはどんなクルマなのか、料金はいくらなのか、現地ライターがレポート。

 アメリカでタクシーといえば黄色いボディカラーでお馴染みのイエローキャプ。ハリウッド映画などで登場するシーンも多いので、日本人にとっても連想しやすい乗り物だろう。かつてイエローキャプと聞いてイメージするクルマは、なんといってもアメリカ車の、フルサイズのセダンだろう。古くは映画『ティファニーで朝食を』のプリムスや、その名のとおり『タクシードライバー』のチェッカータクシーキャブが有名だ。

 しかし今日のNYでアメリカ車の、セダンのイエローキャブを見かけることは稀だ。フォードのクラウン・ヴィクトリア生産終了にともない日産のミニバン「NV200」が独占契約にて2011年から投入されるようなった。しかしその流れは長くは続かなかった。「ひとつのモデルによる独占」が自由の国アメリカでは問題になり、訴訟問題を経て2018年には契約が終了。以後の車種選定は自由になった。そんな現在、強みを見せるのがトヨタだ。いま街中で走るイエローキャプの多くが、RAV4やスライドドアをもつシエナだ。セダンであるカムリも見かけることはあるものの、やはり多いのはこの2車種。とくに北米専用モデルであるシエナは、そのサイズやミニバンたる機能性ゆえ、車椅子ごと乗車できる機能を持っている仕様車もあり利便性が高い。

 そんなNYにおける現代のイエローキャプの料金体系はどうなっているのだろうか。初乗りの基本料金は9ドルだ。円換算すると1,440円(1ドル160円で換算、以下同)となり、なかなかの金額だ。日本なら東京都であれば500円からという料金と比べると3倍近くになる。日本人旅行者にとっては気軽に乗れる金額ではないだろう。

 今回、マンハッタンで実際に乗車してみた。彼の地の伝統? であるタクシードライバーは、インドやパキスタン出身者が多いようだ。社内を見渡すと日本のタクシー同様に液晶パネルがドライバー用にも、乗客用にもいくつもしつらえられている。また車内にはしっかりと星条旗が装備されているあたり、なんとも愛国心豊かなアメリカらしい。少し面白かったのは日本でよく見かける芳香剤がついていたこと。車内はかつてのイメージと違ってとても清潔だったし、芳香剤の香りもナチュラルで日本のタクシーと比べても大きな違和感はなかった。

 そんな現代のNYのイエローキャブ。料金の支払い時にはやや違和感があった。初乗り9ドルとは知っていたものの、請求額はほぼ17ドルだったからだ。乗車した距離は1.1マイル(1.75km)なので、ほぼ初乗りレベルなのに。領収書明細をよく見てみると……。そこには、チップが2.8ドル、ステートチャージ(NY州税)が0.5ドル、IMPチャージ(サービス料)が1ドル、そしてCGNチャージ(渋滞税)が2.5ドルなど、合計で16.86ドルとなっていた。円換算にするとほぼ2,700円にもなってしまう。日本のタクシー料金を含めた物価が安すぎるのか、円が弱いのか、彼の国のドライバー環境がいいのか。いずれしても基本料金9ドルに対して、実際はほぼ17ドルというギャップには違和感を覚えずにはいられない体験だった。

マンハッタンを走るトヨタのシエナ。ミドルサイズのSUV、トヨタのRAV4と同種のサイズ/プラットフォームを採用する北米生産のミニバンだ。電動スライドドアやハッチバックドアを採用する。ボンネット上やリアのCピラーにあるマークは、車椅子の乗客にも対応する仕様車を指す。

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