トラックのキャビンに付いたハシゴは何のため? 昔より見かけなくなった理由とは

トラックのキャビン横や後ろに付いている細いハシゴ。主にキャビン上部へ上がるための装備で、ルーフキャリアの荷物を扱う際などに使われる。現在も存在するが、用途や安全への考え方の変化から目にする機会は少なくなっている。

キャビンに付いたハシゴはいったい何に使う?

大型トラックなどを見ていると、キャビンの横や後ろに細いハシゴが取り付けられていることがある。荷台へ上がるためのものにも見えるが、主な役割はキャビン上部へ移動するための昇降設備だ。

キャビンの屋根には、ルーフキャリアを装着できる車両がある。現在のいすゞの用品にもルーフキャリアが用意されており、荷台用の平シートやロープなどを収納する装備として紹介されている。つまりハシゴは、こうしたキャビン上部の装備へアクセスする際に役立つというわけだ。

大型トラックともなればキャビンの屋根はかなり高い。タイヤや車体の一部を足場代わりにするより、専用のハシゴがあったほうが昇り降りもしやすい。

見た目は地味だが、仕事でトラックを使うために考えられた実用品なのである。

今でもトラック用のハシゴは存在している

昔のトラックに付いていた装備という印象もあるが、ハシゴそのものがなくなったわけではない。

いすゞの現行用品には、ステンレス製のハシゴや可動ステップハシゴが設定されている。可動タイプには滑り止めや反射テープが使われ、昇降時の安全性にも配慮されている。大型車のギガ向けにもハシゴが用意されているため、現在でも必要な車両では使われる装備だ。

一方、すべてのトラックに必要なものではない。キャビン上部へ上がる必要がなければ、当然ハシゴを装着する理由も少なくなる。

そのため現在では、キャビンのハシゴは標準的な装備というより、用途に応じて選ばれる装備と考えたほうが分かりやすいだろう。

昔よりハシゴを見かけなくなったのはなぜ?

街中でキャビンにハシゴを付けたトラックを見かける機会は、以前より少なくなった印象がある。

その理由をひとつに断定することはできないが、キャビン上部へ上がる必要がある車両が限られることに加え、高い場所での作業をできるだけ安全に行おうという考え方が強まっていることも背景のひとつと考えられる。

厚生労働省によれば、トラックの荷役作業における労働災害では「墜落・転落」が最も多い。2023年10月からは、荷役作業時に昇降設備が必要となる貨物自動車の範囲も最大積載量2トン以上へ拡大された。これはキャビン上部への昇降を直接規制する制度ではないものの、トラック周辺での昇り降りに対する安全対策が重視されていることは分かる。

つまりキャビンのハシゴは、完全に姿を消した昔の装備ではない。必要なトラックでは今も使われているものの、用途が限定されるため見かける機会が少なくなった装備なのである。


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