物流センターはただの倉庫じゃない!その正体とは

物流センターは、商品を保管するだけの倉庫ではなく、検品・ピッキング・梱包・出荷などを担う物流の重要拠点だ。施設には複数の種類があり、用途に応じて荷物を効率よく目的地へ送り出している。

物流センターは倉庫と何が違う?

高速道路のインターチェンジ周辺や主要幹線のバイパスを走っていると、そびえ立つ壁に囲まれて極端に窓の少ない、巨大な建築物を目にする機会が多くなる。昼夜を問わず、数多くの大型トラックが吸い込まれるように出入りする光景から、漠然と「製品などをストックしておく倉庫」だと、思っている人も多いのではないだろうか。

しかし、実際はそんな単純なものではない。あの施設の正体は、いわゆる「物流センター」と呼ばれる現代社会の重要拠点なのである。我々がネット通販で頼んだ商品が翌日には手元に届き、近所のスーパーやコンビニに毎日新鮮な商品が並ぶ背景として、この施設の存在を欠かすことはできない。一見すると、昔ながらの「倉庫」と同じに見えるかもしれないが、両者の役割は根本的に異なっているのだ。

従来の倉庫は、商品を長期間にわたって安全に保管しておくことを主目的とした施設。そのため荷物の動きは比較的緩やかで、保管性能に特化した構造を持っている。これに対して物流センターは、荷物を留めておくことではなく、流れるように効率よく目的地へ送り出すために、「循環ポンプ」のような機能を果たしているのだ。

検品から出荷までを一手に担う

物流センターは、単に物を置いておくだけではなく、検品(入荷した商品のチェック)・(保管)・ピッキング(注文に応じて棚から品物を取り出す)・包装や梱包・出荷までの全工程を、一手に引き受ける。中には、商品に値札やラベルを貼ったり、複数の商品を組み合わせたりする「流通加工」までを施設内で完結させて、物流と販売の効率を飛躍的に高めている施設もあるのだ。

さらに興味深いのは、扱う商品や流通の仕組みに応じて、この物流センターが多様なタイプに分類されている点だ。たとえば、「ディストリビューションセンター(DC)」は商品を一時的に保管し、注文に応じて出荷していく最も標準的な在庫型拠点になっている。これに対して、「トランスファーセンター(TC)」は原則として保管を行わず、到着した荷物をすぐさま別のトラックへ積み替えて、配送先に送り出す通過型の拠点なのだ。

物流センターにはさまざまな種類がある

このほかにも、生鮮食品の加工や衣服の検品・補修といった高度な作業設備を備えた「プロセスディストリビューションセンター(PDC)」や、小売店のバックヤード作業を代行する「プロセスセンター(PC)」がある。近年とくに存在感を増しているのが、「フルフィルメントセンター(FC)」だ。これはネットショッピングに特化した最新鋭の施設で、注文の受付管理・ピッキング・梱包・発送に加えて、カスタマーサポートや返品処理に至るまで、通販ビジネスに関わる全業務を一括で代行している。

また、決まった地域内に小回りを利かせて高頻度な配送を行う小型拠点の「デポ」や、特定エリア全体の配送網を束ねて、トラックの拠点となる「配送センター」などが存在する。普段、クルマのハンドルを握りながら何気なく視界に納めていた巨大な建物。それは決して単なる物置きなどではなく、我々の便利で快適な生活を陰で支え、日本の物流を巡らせるための精密なシステムなのである。

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