
高速道路のサービスエリアでは、昼夜問わず多くのトラックが束の間の休息を取っています。エンジンを切ったトラックがずらっと並んだ光景はいつ見ても迫力。用事もないのに普通車の駐車スペースから離れた大型車専用の駐車スペースまで、ついつい歩いて見に行ってしまいます。サービスエリアの規模が大きければ大きいほど、トラックのバリエーションが増えるので見ごたえもありますね。
夜になればトラックの灯火類が綺麗だし、昼間は荷台部分のデザインに見入って見たり、珍しい形状のトラックを探してみたりとなかなか面白い時間が過ごせるもの。そうしたなかで、あまり混雑していない平日昼間、いつものように大型車の間を歩いている時にふと気になったキャビンのフロントガラス部分。いろんなものが置かれている光景がとても気になって、勝手に博覧会を開催してみました。
本来であればトラックのドライバーに話を聞きたいところですが、ほとんどのトラックはカーテンを閉めて休憩中。しかたなく色々な画像を勝手に収めているのはご容赦願います。
まずご紹介するのはホワイトのいすゞファイブスターギガ。フロントウインドーに鎮座しているのはサンリオのキャラクター「クロミちゃん」。サンリオ公式サイトによると「自称マイメロディのライバル。乱暴者に見えるけれど、実はとっても乙女チック!?」なんだそうだ。外から確認できたクロミちゃんは9人。このトラックのドライバーは女性なのか? それとも……。

黒字に金文字という、なんとも存在感のあるスクリーンプレート。長距離トラックでは定番のビジュアル。残念ながらフロントに設置してあるカメラで中央の文字が識別できなかったが「今日の卸●●は明日の敵」●の部分が気になります。画像ではわかりにくいが、プレートの下にズラっと並んだ芳香剤の瓶がベテランのオーラを放っています。

3枚掲げられたプレートをよく見ると、電源コードが伸びているため夜間は光ると思われます。真んなかの「全国スラグラ愛好会」の文字が気になって調べたところ「スライド=すれ違う」「グランド=出会う」という意味なんだそうです。すれ違ったり、出会ったりでスラグラなんですね。左のプレートにも「出会いに感謝」と書いてあります。うーん、ロマンチック。

カラフルな招き猫。前向きに5匹と後向きに一匹の合計6匹。前を向く招き猫の持つ小判にはそれぞれ違う合格、厄除け、恋愛などの文字。これって一匹ずつ増やしていったのでしょうか? 安全祈願がないのは気になりますが、いずれにせよ招き猫愛を感じます。

定番というか、割り切っていると言うか・・・いたってシンプルな缶型芳香剤を陳列。きっと好きな香りがあって、同じ商品を使っていると推測できます。これらは役目を終えた芳香剤たちを並べているのか、それとも5つ一挙に開封したのか、それとも気が付いたら溜まっていたのか……。

ポケモンと「戦争反対」の文字が入ったウクライナ国旗、そして「ドMの王様」の組み合わせが謎の一台。最初はドライバーにポケモン好きのお子さんがいるのかな? と思いきや、横を見て不思議な気持ちになりました。さらに一番左のステッカーはラジオDJの第一人者である小林克也の名前とNack5。懐かしくて不思議で独特の路線を進む1台でした。ドライバーさんに会いたかった。

ハッシュタグが気になった一台。こちらもリサーチしてみたら全国のトラックドライバーさんたちの間では有名ななんですね。「#では行こ!!」と「#さあ帰ろ!!」があるようです。

もう、何もない。潔いくらい何もない! あるのはカーテンとドライブレコーダーのみ。会社の規則でフロントウインドーには何も置くなというルールがあるのでしょうか? 当日も多くのトラックを見て回りましたが、一切何も置いていないトラックの割合は全体の20%ほどだったと思います。シンプルイズベスト!

置かれたアイテムを見れば、仕事に集中するドライバーの姿が目に浮かびます。開封済みのボックスティッシュ、そして次なる出番を待つ未開封のボックスティッシュ。さらにエチケットと花粉対策を兼ねた箱入りマスク。派手さこそないものの必要性が高いアイテムのみを厳選して、手の届く場所に配置しているあたりプロフェッショナルを感じます。
いかがだったでしょうか? 今回はある日のサービスエリアを歩いてみましたが、トラックごとにドライバーさんの個性や好みがわかり、また色々と想像するのも楽しかったのです。また機会があれば勝手に博覧会の第二回を開催したいと思います。
探せばまだまだ、注目したいフロントウィンドの景色がありそうです。