意外に使える? 汎用型平台車用収納カート

荷物を運ぶときに、重宝する台車。一般的には、押すための取っ手がついているものを想像するが、平台と車輪だけで構成されているものもある。これらを平台車と呼んでいるが、搬送台車とか板台車などとも呼ばれることもあるようだ。広い意味では、動力のついているものや工場などで重量のあるものを運ぶ架台、レールの上を走行するものなどを含めることもあるという。

驚くのは、厳密にいうと台車を公道で使用する場合、道路交通法上の「軽車両」にあたる可能性があるという点だ。「軽車両」は、車両といっても自転車やリヤカーのように、原動機を持たないものを指す。そういわれれば、確かに台車が「軽車両」であることも否定ができない。

ただ、全長190㎝以下・全幅60㎝以下で歩きながら用い、かつ通行させる者(台車を押すなどして動かす人)が乗車できない場合は、歩行補助車などとして歩行者扱いになるというからややこしいのである。いずれにせよ、荷物を載せた台車を扱うときには周りに気を付けて、事故が起きないように気を配る必要があることには変わりがない。

使いやすさでいえば圧倒的に取っ手のついた台車であり、箱バンなどには必ずといってよいほど1台搭載されている。小口配送には最適の台車なのだ。しかし、平台車は荷台面より大きな荷物を積みやすく、運搬効率や汎用性の高さから、1ヶ所の扱い個数が多い配送などで重宝されている。かご車代わりに複数台搭載して使っていることが多いようだ。

ただ、平台車の最大荷重は一般に50㎏~200㎏程度まで様々であり、大きさも規格として統一されているわけではない。荷物を載せている状態であれば、荷室内で固定するのは難しくないが、空荷になって平台車だけを複数運ぶ際には固定など工夫が必要になる。かご車よりコストが低くて使いやすいものの、使用後の運搬には苦労しているという実態があるわけだ。

そこで登場したのが、平台車用の収納カート。一見かご車に似ているが、平台車を効率よく収納するための工夫が各所に施されている。その最大の特徴は、横幅を内寸86㎝と92㎝の2段階に調整できることだ。仕組みは底面のサイドバーを伸縮させて内寸を変えるというものだが、これは平台車専用であることから背面や上面のガード部分を、簡易な造りにしたことで実現した。

先にも触れたように、平台車は必ずしも寸法が統一されたものではない。ゆえに、画一的なサイズでは積載効率が悪くなってしまう。このように内寸を自由に変更できれば、より多くの平台車を1度に積むことができるのである。もちろん、下部にはキャスターがついているので、多くの平台車が乗っていても移動は簡単。倉庫では、そのままストッカーとしても利用可能だ。

本体重量は18.9㎏と軽量だが総耐荷重は100㎏あるので、相当数の平台車の積み込みができる。かご車を代用している例もみられるが、必ずしも平台車の所有事業者と同じではなく、トラブルのタネになることも考えられよう。やはり、「餅は餅屋」ということで専用機器を使用するのが、安全で使いやすいといえるのではないだろうか。

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