散水車は知っているけど、その正体やいかに?

後部に大きなタンクを搭載したトラック「散水車」。どんなトラックなのかなんとなく知っていると言う程度の人が多いなか、ここではその中身や構造、使用目的などについてスポットを当ててみたいと思う。

散水車は、主に道路上に水を撒くために用いられるが、どんな場面で活躍するかを見てみよう。

水を撒くという特性上、路面の清掃、トンネル壁面に散水しての洗浄、凍結防止剤(融雪剤)の散布、舗装工事の際のアスファルト冷却などが主な活躍場所だ。また、植物に対しては、街路樹への散水、グリーンベルトへの潅水なども仕事のひとつ。

さらに工事現場、製鉄所構内などでは工事現場での砂埃防止、製鉄所等での冷却用放水などもできる。そんな散水車だが、よく似たトラックとして給水車や散布車もあるがそれは後述しよう。

散水車の特徴は何といっても後部のタンク。そして、この水を貯めるタンクと、水を撒くためのポンプで構成されて。用途により大きさや形が異なる。さらに「PTO式」と「外部エンジン式(エンジンポンプ付散水車)」に分けられるので、それぞれを説明していこう。

PTO式と外部エンジン式の違いは、ポンプを動かす動力源動の違いだ。

PTO式は散水車自体の乗っているエンジンを使ってポンプを駆動させる。つまり走行用に使うエンジンを、走ることとポンプを駆動させることの両方に使うシステムだ。

一方で「外部エンジン式(エンジンポンプ付散水車)」は、ポンプを駆動させるためだけの専用エンジンを備えている。。とくに外部エンジン式は、車輌に関係なく一定量の散水ができるため、安定した散水量が得られるメリットがある。

では散水車を運転するにはどんな免許が必要なのだろう? 実は散水車の運転に特別な免許や資格は必要ない。つまり運転する散水車の車輌総重量に応じた自動車運転免許が必要なだけということだ。

とはえ、自動車免許を持っていれば誰でも運転できるといえばそうではない。普通免許で運転できるのは車輌総重量3.5トン未満、最大積載量2.0トン未満までのクルマだが、散水車のほとんどは車輌総重量が3.5トンを超えるため、車輌総重量に応じて、準中型自動車免許、中型自動車免許、大型自動車免許のいずれかが必要になってくるというわけだ。

最後に散水車と似ている給水車と散布車の違いを説明しよう。給水車は散水車とほぼ同じ形状を持つが、その目的は異なり、主に飲料水の輸送に使用されるのが給水車だ。水道管や給水ポイントから水を取り込み、必要な場所や施設に飲料水を供給する役割を持っている。

一方で散布車の主な目的はさまざまな薬剤や肥料の散布であり、農業や緑地の管理などで使用される。散布するものが水か薬剤科の違いはあるものの、散水車と同様に広範囲に薬剤や肥料を散布することができる。

ちなみに散水車の中古車は100万円台から700万円台と車種や大きさによって幅広いが、中古車サイトにも多く掲載されているので、一般人でも購入することは可能だ。

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