港はトラックに優しい場所だった

神奈川県にある川崎港。物流の拠点として数多くのトラックが出入りする場所でもある。そして、そのなかでも変わったルートを通る必要がある「東扇島」に潜入してみた。

東扇島は神奈川県川崎市川崎区にある、人工的に造られた島であり、その歴史は1972年の埋め立て開始からスタートする。

また外航船用の埠頭と国内貨物を扱う内航船用の埠頭に分かれており、物流や食品関係の倉庫が集積している。特に神奈川県の食品貯蔵能力の約50%を占めているのが東扇島だ。

東扇島に近づくと、国道を走るトラックの台数が一気に増えてくる。その光景は乗用車を探すのが難しいほどだ。片側3車線あるにもかかわらず、トラックに囲まれることになる。

そしてカラフルな貯蔵タンクから数分も走れば東扇島への入り口となる「海底トンネル」へとたどり着くのだ。この海底トンネルこそ最大の特徴のひとつだ。

この海底トンネルは長さ2180mで日本最長の「歩いて渡れる海底トンネル」なのだ。クルマで走ると2分ほどで通り抜けることができる。トンネルを抜けるとそこが東扇島だ。

東扇島のなかは数々の倉庫が立ち並び、船に積載する前のクルマを停めておく広大なヤードが出迎えてくれる。

さらに島内には公園があるのだが、羽田空港が近いため飛行機の離発着を楽しむこともできる。

さらにコンビニ、ガソリンスタンドも複数あるわけだが、どこもトラックのための施設となっている。

コンビニの駐車スペースはトラックが何台も停められるほどの敷地があり、そこに隣接するガソリンスタンドは、通常の5倍くらいの広さはあるだろうか。もちろん洗車機も乗用車用のほかにトラック用も併設されている。

東扇島の奥へと進むと、普段トレーラーに積まれているコンテナの山も見ることができる。こうして山積みになっている姿を見ると、コンテナは容器なんだと実感することができた。

先ほど東扇島にはコンビニがいくつかあると言ったが、誰でも入れるレストランを発見したので報告しておこう。それは公益財団法人の日本食肉流通センター内にある。本来は日本食肉流通センターの福利厚生施設なのだが、ルールを守れば誰でも利用することができるのだ。ルールは以下の画像を参考にして欲しい。

さらに島内をうろつくと数多くのトラックに出会えるのだが、その反面でドライバーの悩みとも言える待機場所問題を垣間見ることもできた。

物流の窓口ともなっている東扇島。巨大なターミナル駅であるJR川崎駅から、クルマでわずか15分ほどとアクセスも悪くない。トラックを観察するには持ってこいの場所であるほか、釣りを楽しんだり、公益社団法人川崎港振興協会が運営を行う会館「マリエン」の展望台に上ることもできる。

誰でも島内に入れる東扇島だが、ひとつだけ注意して欲しいことがある。それは東扇島全域が立ち入れるわけではないということだ。交差点のあちこちに看板が立てられているが、一般の人が入れるのは港湾作業区域外のみ。様々なトラックが仕事をするエリアには入れないので気を付けてもらいたい。

立ち入り禁止区域に入らなくても、トラックを観察することでできるので、ぜひ興味のある方は訪れてみてはいかがだろうか。

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