
夜間にトラックの後ろを走っているときに、キラキラ光る板状のパーツに自車のヘッドライトが反射してまぶしいと思った経験はないだろうか?
トラックはボディが大きく車高も高いため、運転席が比較的低い位置にある乗用車の場合は、とくに自分のヘッドライトの光が反射してまぶしいという事がよくあるようだ。そこでトラックの後ろを走るとまぶしいという問題の実態を調べてみた。
トラックの後部についている光る板状のパーツ。この正体、実は「泥除け」。泥除けの目的は名前のとおり、トラックのタイヤが巻き上げる泥や砂利、汚れなどを後続車に飛ばさないためのものだ。

なぜこの泥除けがヘッドライト反射してまぶしいのかというと、それにはふたつ理由がある。
そのひとつが、泥除け自体の素材が光を反射するステンレスであるということ。ステンレスは耐久性に優れるので泥除けの素材としては最適なのだ。さらにある程度の重さがあることで走行時のバタつきも抑えられるため泥除けの素材として選ばれることが多い。もし、泥除けの素材を軽いものにしてしまうと速度が上がるにつれ、走行の風圧で泥除けの後部が大きく捲れあがってしまい、泥除けの効果が半減してしまう。
このことから泥除けにはライトが反射するステンレス製が選ばれることが多いと言うわけだ。
ただし、泥除けはこれだけの理由でまぶしいステンレス製が使われているわけではない。実は反射させることで、後続車に車間距離を空けてもらうという理由もある。後部の視界が悪いトラックからすれば「接近すると強く光を反射して眩しいよ。だからちょっと離れて眩しさを回避してくれると嬉しいな」という意味があるのだ。
これについては「金属の泥除けが眩しいことはよく理解しているが、不快な思いにさせたいわけではない。後続車の安全を守るためにも必要なものであると理解してほしい」とコメントする運送業者もあることを覚えておいて欲しい。

さらにトラックドライバー、一般車のドライバー双方からの意見も少し紹介しておこう。
反射する泥除けに着けついては「迷惑だという意見がある一方で、「あまり気にならない」「車間距離を開ければ問題ない」という答えもある。
逆にトラックドライバーは「後続車への泥はねや、飛び石を少しでも減らしたい」「反射する泥除けは追突事故の軽減に役立つ」という意見があった。それでもステンレス素材のせいでヘッドライトの反射は抑えられないことを受けて、わざと泥除け部分は洗わずに、汚れたままで反射率を抑えているドライバーもいるくらいだ。
法律違反でもないし、トラックドライバー、一般ドライバーにはそれぞれの思いがある光る泥除け論争。結局はお互いの考えを理解するしかないというところだうか。
とはいえ、泥除けを反射しない素材に変えることや、取り付け角度や方法を工夫するなども考えられるため、改善の余地は大いにありそうだ。
