物流センターや埠頭に港などトラックが集まる場所はいろいろある。そんな場所のなかでも、とくに我々の食生活と密接な関係のあるのが市場だ。
もちろん関係者以外は立ち入り禁止の市場もあるが、今回トラックを求めて向かったのは川崎市にある川崎市中央卸売市場北部市場だ。ここは名前のとおり神奈川県川崎市の北部に位置し、鮮魚や野菜、肉類などを扱う卸業者が軒を連ねているほか、新鮮な食材を使った飲食店もあり、地元のみならず遠方から訪れる人も多い。
そんな市場にどんなトラックが集まるのかを覗いてみた。
市場に足を踏み入れると真っ先に目に入るのがたくさんの冷凍車、冷蔵車たちだ。そして、それらがみんな荷室のドアを開放して甲羅干しをしているではないか！
普段走行シーンはよく見かけるが、こうしてドアをフルオープンにして姿はなかなか珍しい。
荷室を少し眺めたら、今度は市場の定番ともいえるターレットトラック、通称ターレがお出迎えしてくれる。今は電動のターレが主流だが、ひと昔前ならエンジンで動くターレも数多く見られた。しかし環境問題に配慮して排気ガスを生み出すエンジン式ターレは今やほとんど見なくなった。ターレは車輌前部に動力、ハンドルが収められているため運転にはそれなりの技術が必要なのだそうだ。
さらに駐車場を見れば荷物を運搬し終わって、ひと息つくトラックも数多く見られた。
そして今回の市場訪問で最も多く見かけたのがフォークリフトだ。まずはその姿を見て欲しい。
市場で働くフォークリフトは小回りが利き、俊敏に動けるため非常に重宝される乗り物だが、よく見るとその種類は様々だ。電動フォークリフトのほか、ガス式の車輌も多く活躍していた。またガスボンベも横にひとつ積載するタイプと縦にふたつを並べるタイプがあることも発見だった。そして、フォークリフトに使われるガスボンベがいたるところに並べられている光景はちょっと新鮮だったのだ。
また敷地内を散策すると物流センターのような倉庫も外から見ることができた。訪れたのが休日の午後ということもあり、それほど荷物が満載と言うことはなかったが、それでも開場日の賑わいは想像できるほど大きかったのだ。
この市場は鮮魚も扱うことから、氷は必要不可欠だ。そのための施設があったので観察してみたが、どうやら上から氷が落ちてくる仕組みのようだった。実際に氷を投入しているところを見たかったのだが、残念ながら見ることはできなかった。
今回訪れたのは休日だったこともあり、比較的静かな雰囲気だったが、それでもひっきりなしにトラックが出入りをしていた。
しかし、その一方で休息を取っているトラックも数多く、それはそれでサービスエリアで見かける姿とは一味違った印象を受けた。
市場をトラックの目的地だと考えると、今回は見られなかったトラックが集まり荷物の積み降ろしをする光景を期待せずにはいられない。ぜひ、今度はもっと活気あふれる時間帯に訪れてみたいと思う。
