
トラックドライバーがアップするSNSのなかでも、比較的多い投稿がトラックの洗車についてだ。ボディやキャビンはもちろん、ホイールや燃料タンクまでを丁寧に洗い上げる画像や動画は見ていても気持ちがいい。
しかし、あれほど大きなトラックを洗車するのはかなりの労力が必要だとも感じてしまう。そこで、トラックの洗車はどんなものなのかを調べてみた。

トラックの洗車方法だが、そのひとつが大型専用洗車機による洗車だ。大手ガソリンスタンドや、トラックの利用が多い立地のガソリンスタンドに設置されており、基本的に全自動で洗浄してくれる。一般的な乗用車用の洗車機と比較してもっとも大きく違うのは、その高さ。荷室の上部までを洗うために、よく見かける洗車機の3倍くらいの高さはあるだろう。
金額として水洗い洗車で600円程度からと、値段は普通乗用車の価格とあまり差がない。
洗車機を使う方法以外だとこれは人力ということになる。当然だが、普通車と比べてサイズが大きなトラックは洗車するのにかかる時間と労力が桁違いだ。そのため、人によっては洗車が後回しになってしまうケースも多々あるようだ。しかしトラック洗車には重要な意味がある。
それが洗車は点検を兼ねているという部分。洗車をしておくとなんらかのトラブルの前兆を発見できる可能性がアップするのだ。
トラックも乗用車と同じように色々なパーツで構成されているが、業務でよく使われる、アオリのキャッチ部分、扉の蝶番などは劣化速度も速く、ここの汚れを放置しておくと、いつの間にか錆び付いて開閉時に変な音がしたり動かなくなってしまうことも考えられる。
そうしたトラブルを未然に防ぐためにも洗車をマメにするドライバーが多いのだ。

そんなトラックドライバーの洗車に出てくるキーワードに「ハイトレ、ブルマ」というのがある。ちょっと聞いただけで全部がわかるのはトラックドライバーだけかもしれない。
まずハイトレとは車輌専門の特殊洗剤であるハイトレールのことだ。もともと船舶のサビ取り材として使われていたほど強い薬剤であると同時に、使い方を間違えると「ハイトレ焼け(酸焼け)」が生じることがあるので要注意。ホイールに使うケースが多い。

そしてブルマと呼ばれるのは、コンパウンド(研磨剤)でブルーマジックという製品のことだ。このコンパウンドを使えば、ホイール表面の傷を消すことができるうえに、汚れも取ることができるため、重宝しているドライバーも多い。

荷物の運搬とは別に洗車という作業をこなす多くのトラックドライバーたち。その姿を見かける機会は少ないかもしれないが、それが物流を陰で支えているという事実を知っておくべきだ。