
トラックを個人で購入した場合、車庫証明は一般的な乗用車と何か違うのかと思ったことはありませんか? トラックのなかにはボディが大きな車両も多く、普通の駐車場では入りきらないのでは? という単純な疑問です。そこでトラックの駐車場について調べてみました。
まず、会社ではなく個人が新しいトラックを購入する際は、一般的な乗用車と同じでナンバーを取得するために車庫証明が必要となります。

しかし、運送業務許可を得た事業者の場合、車庫証明は不要ですが、その代わり運輸局に事業用自動車等連絡書を提出しなければなりません。さらに運送事業の許可を取得するときには、駐車場(車庫)がなければならないのですが、どのような場所でも車が停められればいいというわけではないのです。
駐車場に必要な広さは、車両によっても変わってくるため一概にはいえませんが、車両同士の距離、車両と駐車場の境界や壁との距離がそれぞれ50cm以上という決まりがあります。
これは車両の寸法に加えて縦も横も1mの空間が必要という計算になります。
ちょっと想像してみるとわかるのですが、一般的な乗用車用に借りられる賃貸駐車場では、このスペースを確保するのが難しいのです。さらに、トラック運送業の許可を取得するためには最低でも5台の車両の駐車スペースが必要になるという規則もあるのですから、駐車場スペースを見つけるのもひと苦労なのです。
さらに駐車場の接している道路にも規制があり、車両制限令という法令に適合する必要があるのです。実際には駐車場に面している道路が国道である、または幅が6.5m以上というのが条件となります。
車両制限令についてはこちら
逆に駐車場に面するのが国道ではない、または幅6.5m未満の場合には、普通貨物車の上限である2.5m幅の車両の駐車場として使用できない可能性が出てきます。こうした駐車場の立地条件が関係するなかで、道路の幅は道路管理者が発行する道路幅員証明書を取得する必要があるのです。そのため道路の幅をメジャーで計測して6.5m以上あります! というのはNGなのです。
こうした細かなルールはまだあります。駐車場出入り口の前面道路が私道の場合、私道から公道に出る最初の道幅が6.5m以上であることが条件です。
かなり細かく決められていると感じますが、まだまだ終わりではありません。車庫の前面道路が私道なら、公道に出るまでに通る私道の所有者からの承諾が必要になる上に、承諾は書面化しなければなりません。
ここまでしてようやく駐車場として使うことができるのですが、運送業務を開始しようとする場合、その手続きにはなかなかの手間がかかることがお分かりになるでしょう。
