トラックにヘアドライヤー? いいえエアドライヤーです

トラックならではの機能や装置はいくつもありますが、今回はエアタンクについてお話していきましょう。エアタンクを簡単に説明しておくと空気を溜めておく装置のことです。ではなぜ空気を溜める必要があるのか? その理由はエアブレーキやエアサスペンション、トランスミッションの作動に使われるためです。

エアブレーキは重いトラックを止めるために使われ、エアサスペンションは、空気圧により車高調整を行います。またトランスミッションを切り換えるために、圧縮された高圧の空気を使う車輌が主流となっています。このように、トラックには空気圧を使って動かすための機能が多く搭載されているためエアタンクが必要というわけです。

こうしたトラックの安全運転にかかわるエアタンクですが、エアタンクの空気が不足すると警告音が鳴ります。そして定期的な点検が必要な部分でもあります。

またエアタンク内に水分が溜まることがあります。その理由ですが、これは圧縮空気が外気を取り込むことによって充鎮されるため、外気にある水分やコンプレッサー内の油分などが含まれてしまうことがあるからです。

しかし、エアタンクにはエアドライヤーが装備されているので、通常ならば水が溜まることはありません。しかし、水蒸気が発生すると凝水(編集部註:水蒸気が凝縮した溜まった水)が溜まってしまうことがあるため、そうなった場合は、エアタンクの下にあるドレンコックレバーを引くと、エアタンク内部の凝水を排出できます。

さて、ここまで説明で出てきたなかで、一般には馴染みのないパーツが「エアドライヤー」でしょう。エアドライヤーはエアタンク内に水が溜まらないようにする機能で、簡単にいうと水分のろ過装置です。

先ほど説明したとおり、外気から取り込んだ空気には余分な水分や油分が含まれています。これをエアドライヤー内にある乾燥剤とフィルタで乾燥・除去。良質な圧縮エアを作り出すことができるのです。

エアドライヤーがあるおかげでエアタンク内には水分が入りにくくなっているのですが、もしも、点検時にエアタンクから大量の水が出てきた場合は、エアドライヤー内にある乾燥剤が劣化している可能性があります。こうなると乾燥剤の交換が必要になります。

燃料タンクとは違い、見る機会がなかなかないエアドライヤーですが、その形や仕組みを知りたい人は以下のサイトで分かりやすく動画で説明されていますので、覗いてみはいかがでしょうか。

ナブテスコサービス株式会社

https://www.nabtesco-service.co.jp/business/automotive/maintenance-a

またエアドライヤーの乾燥剤やメンテナンスについては「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会」のポスターで知ることができます。

https://www.jaspa.or.jp/member/explanation/truck/parts18.html

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