
高速道路のサービスエリアで見かけるたびに不思議に思っていた光景がある。それは大型トラックの駐車の仕方が斜めだということ。サービスエリアを訪れるたびに、わざわざ大型車輌の駐車スペースまで見に行く人は少ないだろうが、筆者は仕事柄、ついつい端っこまで見に行ってしまうのだ。
そのときに見かけるのが長いトラック、つまりトレーラーがヘッド部分だけを斜めにして停まっている姿だった。
最初は意味が分からずに「まっすぐ駐車枠に入れてしまった場合、隣にも同じようなトレーラーが停まったときに、出しにくいからか?」と勝手に想像したこともあった。しかし、実際はそんな理由ではなく、単純に駐車スペースの問題であることが分かった。

そこでトレーラーのドライバーが高速道路の駐車スペースに関して、どれほど苦労しているのかを調べてみた結果、ネット上には様々な意見があったので、それらをピックアップしてみたいと思う。
「とにかく駐車スペースが足りません。特に夕方から夜にかけては流入車線か出口の車線しかありません。トレーラー専用のスペースだってトレーラー以外のトラックが大半ですしね」
これは確かに現場のドライバーにしかわからない事実だろう。トレーラーもトラックの一種ではあるが、その全長が違うのだ。
「サービスエリアには、1マスの長さが18mくらいあるトレーラー専用の駐車マスがありますが、普通の12mトラックが『トラックのマスがいっぱいだったから』といってトレーラー専用マスに入り込んで止めてしまっていることが多くあります。それでトレーラーは行き場を失い、大型マスが2台並んで空いた時に斜めに止めてしまいます」
ただでさえ少ないトレーラー専用マスを、トレーラー以外が駐車してしまうのは問題ありだろう。
「店も無い不人気の無人PAに行き、通路や大型マス2台使用で止めざるを得なくなっています」
ちょっと切ないというかトレーラーのドライバーに同情してしまう書き込み。無人PAは確かに空いていることが多いが……。
「パーキングエリアやサービスエリアではトレーラーを停められるレーンが少ないです。無いエリアもあります。さあらにトレーラーのレーンには半分以上、トレーラーでない車輌が占有しています」
こちらも先ほどの書き込みと同じで専用レーンにそれ以外のトラックが駐車してあるのでトレーラーの駐車スペースがないというご意見。もちろんこうした背景にはトラック自体の駐車スペースが少ないことに原因があるだろう。

「トレーラーは大型トラックスペースにすら止められないんだ。クルマの性質上、大型トラックスペースでも2台分のスペースが必要なんだよね」
確かに全長の長いトレーラーでは大型トラック用のスペースには入りきらないというのは、一般人にはわかりにくい事実だ。
こうした状況を改善すべく、MEXCOも対応策を展開しているのだが、実はそこにも現場のドライバーとの温度差があるようだ。
長さがあるトレーラー専用の駐車枠を予約制にする社会実験が行われているのだが、それに対して「予約が必要って言うのが、ナンセンス」「そこまで辿り着けるかが問題」「ネット予約は3時間前までだと、運転中にスマホ操作になるケース多いのでは」などといった意見も多く見られた。

ちなみにだが、予約制の駐車枠使用条件の一部は以下のようになっているのだが、こうした取り組みが、トラックやトレーラーの駐車枠不足問題の解決につながることを願うばかりだ。
対象車輌(1)豊橋PA
ETC2.0を搭載した下記の基準以下かつ普通車(小型車)駐車マス(5.0×2.5m)を超える大きさの車輌に限ります。長さ21mを超えるフルトレーラ連結車(ダブル連続トラック):全長21m横25m以内、全幅2.5m特大:全長25m、全幅2.5m、中型/大型:全長12m、全幅2.5m
(2)豊橋PA以外
ETC2.0を搭載した長さ21mを超えるフルトレーラ連結車(ダブル連結トラック)