
その平均寿命は大型トラックなら70万キロともいわれているが、その役目を終えた後はどうなっているのだろうか。中古車として市場に再び出回るケースや知り合いに譲る、または廃車にするなど、色々な選択肢はあるが、トラック場合その手続きや費用がどれくらいかかるのかについて解説していこう。
トラックを廃車にするため、まず考えなくてはならないのが「永久抹消登録」にするか「一時抹消登録」のどちらするかという部分だ。
永久抹消登録は、もう乗ることのないトラックに対して行なわれる手続きなので、中古トラックとして販売できない状態や走れない、動かないといったケースが考えられる。この手続きをするには、ナンバープレートを外して解体業者に解体してもらう必要がある。
その後、解体報告記録日や移動報告番号を業者から受け取り、必要な書類を持って解体から15日以内に管轄の運輸支局で書類とナンバープレートを返却することになる。その後は、運輸支局から廃車証明書を受け取れば抹消登録が完了となる。そのあとで都道府県税事務所にて申告書を提出すれば、支払い済み税金の還付請求ができる。

いっぽう、一時抹消登録は乗る機会があるかもしれないが、しばらく乗ることがないといったケースに選ばれることが多い(公道ではなく私有地のみで乗るといったケースも一時抹消登録にあたる)。
一時抹消というネーミングからもわかるとおり、再登録すれば公道での走行も可能となる。手続き方法はナンバープレートと必要な書類を管轄の運輸支局の窓口に提出し、一時抹消登録証明書を受け取れば完了だ。こちらも税事務所にて申告書を提出し、支払い済み税金の還付請求を行う。
永久抹消登録も一時抹消登録もナンバーを外して書類提出、というプロセスは同じだが、最も大きく異なるのは、永久抹消登録の場合解体することが必須ということだ。そのため永久抹消登録をする段階で不要になったトラック本体の解体を解体業者に依頼する必要がある。そのときにかかる解体費用はサイズによって差はあるが、おおよそ1~3万円程度が相場のようだ。

そして解体費用のほかには、自動車リサイクル法に基づいて自動車リサイクル料金の支払い義務があるため、リサイクル料金の2~3万円程度が発生する。こうした費用をすべて支払ってしまえばトラックの処分は終了するが、実際のトラック解体の様子も動画サイトに多くアップされているので、その一例を紹介しておこう。
手際よく巨大なトラックが解体されていく様子を見ることができる。