「なぜこんなところに土偶が鎮座? 不思議なPAがそこにあった

八王子インターチェンジから延びる中央自動車道。そこから約50分、山梨県方面にクルマを走らせると「釈迦堂パーキングエリア」に到着する。中央自動車道には談合坂サービスエリアをはじめとして、大きな休憩所があるが、今回のターゲット釈迦堂パーキングエリアは、規模からすれば小さい部類にはいる、いや小さい。

実際に行けばわかるが、下り線の釈迦堂パーキングエリアは大型13台、小型52台、合計で65台と、とてもこじんまりとした佇まいなのだ。手前にある談合坂サービスエリア下りが大型 36台、小型 315台、兼用 89台、合計440台なので駐車可能台数だけ見れば約4分の1といったところか。

さて、NEXCO中日本のホームページから釈迦堂パーキングエリアの情報を見てみよう。

https://sapa.c-nexco.co.jp/sapa?sapainfoid=118

うむ、いたって普通だ。施設もスナックコーナーとショッピングコーナーのみで7時~20時までの営業というシンプルさ。

しかし!なぜ土偶なんだ? どうして壺なんだ? 正体不明の土器が出迎えてくれるパーキングエリア、それが釈迦堂。

とはいえ、いきなり土偶がドーン! というわけではなく、パーキングエリアだから主役は売店や食堂コーナー。その両脇にひっそりと、というには存在感がありすぎな土偶が鎮座している。

そしてふと視線を上に向けると、長く伸びた階段の上になにやら巨大な建物が。その階段を上っていくと、その先は一般道である。重い鉄製の扉を開けると、その先には巨大な木製の像? オブジェ? がお出迎えしてくれる。そう、ここがパーキングエリア直結の「釈迦堂遺跡博物館」だ。

豪華で巨大な空間を贅沢に使った同博物館。その佇まいはまさに知識の館といった様相を呈している。訪れたのは平日の午後ということもあり、入場者がつめかけるということはなかったが、それでも博物館のパーキングにはツーリング途中のライダーが数人、さらに管内にも観光のついでに立ち寄ったであろう人が数組確認できた。

この博物館は中央道の建設に先立ち発掘調査され、日本有数の縄文遺跡の出土品が展示されている。館内ではその際に発掘された土偶や、復元された当時の生活風景などが見学できる。特に縄文時代の土偶・土器などの出土品は、重要文化財に指定されているので歴史や古代史に興味がある人はぜひ訪れてほしい場所だ。

ただしこの場所、釈迦堂パーキングエリアから見えるものの、入り口までの階段はなかなかのもので、一気に駆け上げるのはちょっとしんどいため、ゆっくりと登りながら、頂上でから見える甲府盆地の景色を楽しんで欲しい。

最後になったが、これだけしっかりとした施設なのにもかかわらず、NEXCO中日本のホームページには、その記載がない。気になって調べてみたら。この釈迦堂遺跡博物館の運営母体は笛吹市教育委員会文化財課というところだった。

つまり、その存在を事前に知らない限り、釈迦堂パーキングエリアの下りに立ち寄って人だけが発見できる施設ということになる。うーん、ミステリアス!

釈迦堂遺跡博物館HP

https://www.city.fuefuki.yamanashi.jp/shisetsu/museum/002.html

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