軽は軽でもいろいろあるんだ! 軽商用車の種類あれこれ

その姿を見ない日はないのが軽バン・軽トラなどの軽商用車。大手物流会社はもちろん、個人配送業者のほとんどが軽商用車を使用しているのはご存じのとおり。一見、どの軽自動車も似たように見えるだろうが、実はいろいろなバリエーションが存在している。そこで今回は商用に使う軽自動車の種類について解説していこう。

配送に軽商用車が選ばれる理由だが、これは軽自動車のわりに荷室が広く350㎏までの荷物が積めるからだ。さらにコンパクトなボディは狭い場所でも荷物の積み降ろしがしやすく、都市部や狭い道路での利用に適しているといえる。さらに、燃費の良さや維持費の低さも選ばれる理由だ。

さて、この軽バンだがいくつかの種類に分類できるので順番に見ていこう。

軽バン(ワンボックス)

ほとんどの貨物にオールマイティに適用でき、バックドアだけでなくサイドドアからも荷物を出し入れできるのが軽バン。後部座席が折りたためてフルフラットのフロアにできるため、シートを起こせば自家用としても使えることから、軽貨物運送だけでなく、普通の移動用としても使うことができる。街で最も多く見かけるタイプでもある。

軽トラック

平ボディ(オープンデッキ型)の荷台を持ち、荷物の積み降ろしが簡単にできる。側面や後部のアオリ板が開閉できるため、長尺物や大きな資材も積載しやすい設計になっているのが特徴。

軽トラックは荷台部分に屋根がない分、背の高い荷物や長尺物を積みやすいが、荷物が雨に濡れる、排気ガスなどで汚れる、施錠できないなどのデメリットもある。基本的には乗車定員が2人(運転席+助手席)となる。通常、最大積載量は軽バンと同じく350kgだ。

幌車

軽トラックのバージョンアップ版ともいえるのが幌車だ。荷台にテント状の覆いを被せ、雨風を防げるようにしたもので、家具や観葉植物といった、高さはあるが風に弱い、むき出しで運びにくいものなどの運搬に向いている。しかし、幌があるといっても雨風を完全に防げないため、食品や汚れやすいものの運送には不向きといえる。

箱車

文字通どおりに大部分が「箱型」になっているスタイルの軽トラック。風雨を防げるので、ダンボール製品など水に濡れてはいけない荷物の運搬に向いている。さらに施錠も可能なので、積荷の盗難や落下をも防げるのもメリット。後部しか開かないタイプと、後部と左右の3か所から荷物の出し入れができるタイプがある。

冷蔵・冷凍車

一見箱車と似ているが、冷蔵(冷凍)の機能を持つのが冷蔵・冷凍車だ。荷室部分は断熱構造が施されており、多くは食品の輸送で広く使われている。冷却能力も-5~-20℃前後と、車両によって低温冷凍車と中温冷凍車に分かれる。

このように物流で使われる軽バンは、その用途によって使い分けられている。そのため宅配が多い市街地なら軽バンや箱車、市場などでは冷凍冷蔵車、農業地域なら軽トラといった具合に、場所によって見かける台数も変わってくるのだ。

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