
重量物を運ぶケースが多いトラックのホイールは非常に重要なパーツのひとつ。その役目を考えると、頑丈であることは絶対条件だが、使用環境や思わぬアクシデントの場面では割れたり変形してしまうこともある。
一般的な乗用車であってもホイールの変形や破損の可能性はあるのだが、それは事故であったり、障害物に接触した時に発生することが多く、あまり頻繁に起こるトラブルとはいいがたい。もちろんトラックでもそれは同じだが、かなりの重さの荷物を運搬したり、長距離を走ることを考えると、そのリスクは乗用車よりも若干高いのかもしれない。そこで今回はトラックのホイールの種類や破損について解説していこう。
トラックのホイールは大きく分けてスチール製とアルミ製に分けられる。

まずスチールホイールだが、その名のとおり素材は鉄だ。このスチールホイールは丈夫なうえに安価なため、装着されるホイールが多いトラックにとってはコストパフォーマンスが良いといえる。
その反面、ホイール自体が重く、車体全体が重くなってしまうので燃費は落ちてしまう。また錆びやすいという性質があるため、年数とともに変色や錆びの発生や、強度が落ちることもある。このことからスチールホイールの寿命は短めともいえる。
一方でアルミホイールはどうだろうか。

アルミホイールはアルミ合金を使ったホイールで、鉄よりも軽いのが特徴だ。この軽さは燃費向上にもつながり、操作性もアップするメリットがある。
ホイールの重量が燃費に大きく関係するのは説明したが、実際には以下のようなデータがある。
大型トラックの場合は、1本の重さがスチールホイールで約35kg、アルミホイールの場合は約20kg。10輪のトラックであれば、スチールホイールで約350kg、アルミホイールで約200kgとなり、その差は約150kgだ。ホイールの素材が違えば150㎏の軽量化が可能なので、おのずと燃費向上にもつながるというわけだ。
では、このトラックを支えるホイールだが、どんな場合に破損や変形をしてしまうのだろうか。そのひとつ目の要因は錆びだ。もちろん錆びが発生するのはスチールホイール特有の事象といえる。
ではアルミホイールなら錆びないし、頑丈だから大丈夫かと言えばそんなこともない。アルミは比較的錆びづらいと言われているが、錆びにくいというだけで、まったく錆びないというわけではない。とはいえ、耐久性はあるので変形や破損に対してはスチールホイールよりも高いのだ。
しかし、耐久性のあるアルミホイールでも、重量のある荷物を積むトラックの場合、ホイールに亀裂が入ることが少なくない。ホイールが割れる原因は様々だが、過積載・接触面の不接地・高負荷等により金属疲労を起こして、ホイールの強度的に弱い部分、力が掛かる部分に亀裂が入ってしまうケースがあるのだ。
