緊締車? 緊締装置? 緊締トラック? その正体はいかに!

「緊締」とは「きんてい」と読み、物をしっかりと締め付けて動かないようにすることを指します。そして物流業界でこの用語が使われるのは、鉄道コンテナを固定するための緊締装置を備えたトラックを指すのです。

ここまで聞くとなんとなくその姿が思い浮かんだのではないでしょうか。そう、一般道でもよく見かけるコンテナを積んだトラックです。

この緊締装置はツイストロックとも呼ばれ、コンテナのサイズによりロック方法が異なります。12フィートのコンテナはセンターロック、20フィートや31フィートのコンテナはツイストロックを採用しているのです。

なかでもセンターロックは、JRの12フィート専用に日本独自に開発されたもので、鉄道コンテナ下部に付けられている下向き矢印形の装置と、トラックの床面に付けられている台形の中央部分にあるハート形のくぼみによりコンテナを緊締する仕組みです。

ちなみにJR貨物では半自動式中央緊締方式と呼ばれる鉄道コンテナ専用のツイストロックが採用されています。

その一方でツイストロックは、コンテナの四隅に設けられた金具に差し込む形でコンテナを固定することができます。このツイストロックの形状は世界共通で、手動で固定するタイプと油圧や電動で固定する自動タイプがあるのです。

では簡単にツイストロックの操作手順を紹介しましょう。

ツイストロックを固定するには、三角の突起に金具を差し込む。なかで回転させて固定。手動か自動で固定という3つのステップで完了します。

文字だけだと、その形や仕組みが想像しにくいので、参考までに緊締装置がどんなものかがわかる資料をお見せしましょう。

出典:社団法人 全日本トラック協会公式HP

https://jta.or.jp/

これらのロックをしっかりと固定していないとトレーラーからコンテナが落下したり、カーブの途中でトレーラーが横転するなど重大な事故の原因となります。

過去には国際海上コンテナがシャシーから落下し、死傷者が出る事故が相次いだこともありました。この原因はいずれもツイストロックが十分でなかったと指摘されているのですが、安全上、非常に重要なロックがなぜ徹底されていないのかに関しては、さまざまな要因があると言われています。

あるデータによるとロックをする手間が面倒、コンテナの中身が空のときはロックしないという意見もあったそうです。しかし、ロックをかけずに走行することは違反となります。最後に国土交通省公式ホームページに記載があるので一部を抜粋して紹介しておきましょう。

コンテナを荷台の緊締装置(ツイストロック等)をロックせずに走行すると、道路交通法違反となります。緊締装置(ツイストロック等)は、荷台(シャシー)の前後に4箇所装備されていますが、すべてロックしなければ違反となります。

道路交通法第 71 条第4号(運転者の遵守事項) 抜粋

乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行なう等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落、若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。

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