
トラックは乗用車よりもはるかに多くの燃料を搭載しているのは、なんとなく知っている人も多いだろう。一般的な乗用車が30~60リットルの燃料タンクなのに対して、トラックは100リットルや200リットルと言う燃料タンクを積んでいることもある。これほどまでに大きな燃料タンクを積んでいるのは、それなりの長距離を走ることが前提なわけだが、実際にトラックの燃費とはどれくらいのものなのだろうか?
もちろんエンジン大きさや車重、走る場所、積み荷の多さによって燃費は大きく変わってくるのだが、それも含めてトラックの燃費について説明していこう。
先述したとおり、トラックの燃費は車種や積載量、運転方法、荷物の重さ、道路状況によって大きく変動するが、特に市街地ではストップ&ゴーが多いため燃費が落ちやすく、高速道路では定速走行が多いことから、やや燃費が向上するといわれている。


国土交通省の発表によれば、一般的な普通乗用車の平均燃費値が約20km/Lであるのに対し、トラックの平均燃費値は約4~12km/Lとなっている。このデータを見る限り、トラックの平均燃費に大きな幅があるのはトラックの大きさによっても燃費が異なるからだ。
ちなみにトラックの大きさは最大積載量16トンまで、最大積載量4トンまで、最大積載量2トンまでと区分けされ、順に大型、中型、小型となる。ではさらにトラックの大きさ別に燃費を見てみよう。
16トンまでの大型トラックの平均燃費は国土交通省発表の自動車燃費一覧によれば、令和5年末時点で新車として販売されていた大型トラックの燃費値は3.5~9km/L程度だ。もちろんトラックも新しいほど燃費は向上する傾向にあるため、平均燃費にもそれなりの幅があるというわけだ。
では次に中型トラックの燃費だが、こちらも国土交通省の発表データを見ると、令和5年末時点で新車として販売されていた中型トラックの燃費値は8~12.5km/L程度となっている。このくらいの燃費だと旧いタイプの一般的な乗用車と同じくらいの数値となる。
さらに小型トラックとなれば、国土交通省が発表している自動車燃費一覧によると、令和5年末時点で新車として販売されていた小型トラックの燃費値は10~13km/L程度と、かなりの低燃費と言える。
もちろん、こうした数値はカタログ記載のデータがベースとなっていることが多いので、あくまでも目安と言うところだろう。
では、カタログに掲載されているデータの一部を見てみよう。
大型トラック のいすゞギガは3.3 km/L、日野プロフィア3.95 km/L、三菱ふそうスーパーグレート4.05 km/L、UDトラックスクオン3.25 km/Lとなっており、いずれも10トン以上のトラックなので、やはり大型トラックはそれなりに燃料を消費するということがわかる。
しかし、こうしたトラックの燃費はちょっとしたことで改善する余地もあるので、その方法も紹介しておこう。
基本的なことだが、タイヤの適正空気圧を維持すると、それだけで燃費向上が見込めるケースがある。これは空気圧不足の状態ではタイヤの転がり抵抗が増加し、燃料の消費が多くなるためだ。
次に、急発進・急加速・急停車を控えるのも燃費アップには効果的な方法だ。それに加ええて適切なタイミングでギアチェンジを行うことも燃費向上のコツといえる。
後は定期的にエンジンオイルを交換することでエンジンコンディションを維持できるし、積載量と積荷のバランスを考慮することも燃費アップにつながるのだ。
