川の看板に注目! なるほど&ヘンなところ

一般道を走っているときには、ふと目につく川の名前が書いてある看板。信号待ちのタイミングで目の前の看板があると無意識に読んでしまうことありませんか? そして、ローマ字表記の部分に違和感を覚える人も少なくないはずです。

例えば多摩川のローマ字表記が「Tamagawa river」となっていた場合「これじゃ多摩川川じゃん」と思ったり。もちろん筆者もそう思っていました。

このほかにも荒川、淀川などもの表記も同じですが、記憶をたどってみると、多摩川に関して言えば、「Tama river」と「Tamagawa river」が混在していた時期があったように思います。

そこで川の名前について調べてみると、面白いことがわかりました。基本的には川の名前の英語表記にはきちんとしたルールはないようです。

しかし、国土地理院が有識者を集めて地名などの英語表記の統一ルールづくりに着手し、平成28年に取りまとめた「地名等の英語表記規程」というものがありました。

この地名等の英語表記規程を読み解くにはじっくりと解釈を考える必要があり、簡単に川はriverというような簡単なものではなかったのです。

基本原則としては、◯◯川の川の部分をriverとする置き換え方式ですが、原則どおりに置き換えると元の地名がわかりにくくなる場合は、riverを付加するという「追加方式」が採用されているのです。つまりは、場合に応じて適宜柔軟に対応と言った感じでしょうか。

国土地理院 地名等の英語表記規程

https://www.gsi.go.jp/common/000138865.pdf

では川の話題を取り上げたので、さらにもうひとつ。川の看板に書かれている「一級河川」や「二級河川」という表記を見たことがあるでしょうか。直感的には一級のほうが二級よりも大規が大きな川というイメージを持つ人も多いはずです。

しかし、実際はまったく別の意味であり、これは災害レベルのランクを表しています。

そして一級河川の意味は以下のとおりです。

洪水や高潮といった災害が発生した場合に想定される人命、財産などの被害が大きく、国土の保全または国民の経済上の観点から「特に重要な水系として政令で指定されたものが「一級水系」であり、その一級水系に関わる河川のうち国土交通大臣が指定した河川が「一級河川」となるのです。

一方で二級河川は、一級水系以外の水系で公共の利害に重要な関係がある「二級水系」のうち、都道府県知事が指定した河川を指します。こちらは各都道府県の管理です。

一般的に設置されている地名の看板ですが、なぜか筆者は川の名前の看板を見るたびに英語表記が「〇〇川」なのか「〇〇川川」なのかをチェックしてしまうのです。そして、心の中で、それじゃヘンだよと思ってしまうのは癖なのでしょうか。最近で川だけでなく、お寺の表記も気になりだすという始末。

最近では「〇〇寺」が「〇〇temple」となっていると「〇〇寺寺じゃん」と思ってしまうのです。みなさんはどうですか?

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