トラックは漢の24V! でも何で?

クルマのカスタムにはいろいろなアイテムや方法があるが、なかでも手軽に選ぶことができる電子系パーツは人気が高い。最近では後付けのUSB端子増設ソケットやマイナスイオン発生器など、充電用ソケットに差し込むだけで簡単に使えるようなものが数多くリリースされている。

普通の乗用車であれば、カー用品店などであまり気にせず選べばいいのだが、トラックの場合はそうはいかない。それはトラックが24ボルトのバッテリーを積んでいるからだ。

一般的な乗用車は12ボルトだが、なぜトラックは24ボルトなのか。それは単純に12ボルトだとパワー不足だからだ。では何のために24ボルトのパワーが必要なのかといえば、それはトラックはほとんどがディーゼルエンジンであり、ディーゼルエンジンは回転抵抗が大きいため、12ボルトだとセルモーターがうまく回らないことがあるためだ。セルモーターが回らなければエンジンが始動できないため、確実にセルを回すには24ボルトが必要なのだ。(上の画像はセルモーターの単体)

とはいっても特別なトラック専用バッテリーがあるのではなく、実は12ボルトのバッテリーを直列にふたつ繋げて24ボルトにしているのだ。昔習った記憶がある人もいるだろうが、バッテリーを直列につないだ場合、電圧は足し算になるが、電流は一緒なので単純に12ボルト+12ボルト=24ボルトということだ。

このように24ボルトは抵抗の大きいエンジンを始動させるためのセルモーターを回すパワーを供給できるが、その一方でちょっとしたデメリットもある。

それは一般的な12ボルト用の電子パーツが使えないということだ。例えば、今や必需品となったスマホの充電器などは、一般乗用車で使える12ボルト用は使用できない。もし間違って使用してしまうと、通電した直後にヒューズや過電流防止装置によってシャットダウンしてしまうか、最悪の場合は製品の破損にもつながりかねないので注意してほしい。

ではちょっと特別なトラックの24ボルトだが、万が一バッテリーが上がってしまったときはどうすればいいのだろうか。答えは「同じ24ボルトを使用しているトラックを使ってジャンピングする」だ。

ジャンピングの方法はトラックの場合でも基本的に普通自動車と同じ対処法で、①赤いブースターケーブルを故障車のプラス端子→救援車のプラス端子の順につなぐ。②黒いブースターケーブルを、救援車のマイナス端子→故障車のマイナス端子の順につなぐ。③救援車のエンジン→故障車のエンジンの順にエンジンをかける。④エンジンがかかったら、つないだ時と逆の手順でブースターケーブルを外す。

となっている。

ただし、バッテリーの電圧が違うため、12ボルトの普通自動車とのジャンピングはできないので注意してほしい。

24ボルトと聞くと、何か特別なトラック用バッテリーがあるのではと思うかもしれないが、ここまでに説明したとおり12ボルトのバッテリーがふたつというシンプルな仕組みであることがお分かりいただけたと思う。トラックのバッテリーは荷台部分の下に設置されていることが多いので、ぜひ機会があればバッテリー部分を観察してみてはいかがだろか。そこにはよく見かける普通のバッテリーが並んでいるはずだ。

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