ストレッチフィルムという言葉を聞いたことがあるでしょうか? ホームセンターなどで普通に売られているのですが、一般的にはそれほど認知度が高いとは言えないアイテムには間違いないでしょう。しかし物流業界にはなくてならないものなのです。物流において、縁の下の力持ちと呼ばれるのがパレットですが、実はそのパレットに乗せる荷物を固定したり守るのがストレッチフィルムなのです。
そんなストレッチフィルムですが、簡単に言うとレンジで食べものを温めるときに使うラップをイメージするとわかりやすいと思います。もちろん業務用なので同じもではありませんが、形や質は似たような製品です。

ストレッチフィルムは、主にポリエチレン素材で作られた薄いプラスチックフィルムで、引っ張ると伸びる特性を持っています。そして、複数の箱や荷物をパレットに積載した際、全体をしっかりと巻き付けて一体化し、荷崩れを防いでくれるのです。
さらに保管や輸送のために商品を梱包して固定に使うフィルムには、ストレッチラップとストレッチフィルムがあります。
ストレッチラップは、安全性と保護を確保するために商品をプラスチックフィルムでしっかりと包む総合的な梱包方法です。通常、線状低密度ポリエチレン (LLDPE) で作られており、さまざまな厚さと幅が用意されています。そしてストレッチラップの主な目的は、商品を安定させて固定し、輸送中に商品がずれたり損傷したりするのを防ぐことです。
いっぽうでストレッチフィルムは、薄くて柔軟で伸縮性のあるプラスチック フィルムで、通常はポリエチレンやポリプロピレンから作られます。ストレッチ フィルムは包装する品物に合わせて伸縮します。

このふたつの違いですが、ストレッチラップより厚くて丈夫であるため、頑丈な用途やパレットに積まれた大きな荷物の固定に適しているのに対し、ストレッチフィルムはより薄くて軽量であることが多いため、個別の商品や小さなパッケージの包装に最適なのです。
では梱包用のフィルムの巻き方について説明していきましょう。
ますラップの先端を丸めて、荷物同士の間に挟み込むなどして荷物の下の方に固定します。その後、下から上に巻いていくのですが、上から巻いてしまうとラップ同士の境目から雨やゴミが入りやすくなってしまうため、下から巻くのが基本です。このときに荷物の角でラップを引っ張ると強く巻けます。
そして、ラップを少しずつ重ねて巻くようにすると、強度が上がり荷崩れしにくくなるのです。
逆に巻き方が緩い、巻き方が強すぎる、斜めに巻くというのはラップ巻きのNG項目です。
こうしたラップ巻きされた荷物の荷ほどきをするとわかるのですが、非常にしっかりとした力で巻き付けられています。つまり巻き付けるときにそれなりのテンションをラップにかけるわけですから、けっこうな力仕事なのです。
その負担を軽減するために、ストレッチフィルムホルダーを利用したり、自動でラップ巻きを行ってくれる専用の機械(包装機)を使うという方法があります。

(画像出典:株式会社大阪タイユーHP)
あまり目立つ存在ではないものの、物流において必要不可欠なのがストレッチフィルムです。紙類や小さなアイテムの梱包には非常に便利なので、ぜひ機会があれば使ってみてもいいかもしれません。