
どんな業界にも専門用は存在するが、港湾エリアで使われる言葉は特に難解と言えるかもしれない。そこで、今回はちょっと聞いただけではわからない、実物は知っているけど名前は知らないという、港湾ならではの用語を集めてみたので紹介していこう。
浮桟橋(ポンツーン)
船客の乗降や貨物を荷役するため船舶を係留する施設の一種で、箱型の浮体を用いたもの。潮位差の大きい所に設けられる。港湾法第2条に定められる港湾施設である係留施設の一つ。
上屋(うわや)
上屋とは、保税地域にあって、輸出および輸入さら貨物の一時保管・荷捌きを行う施設のことで。貨物の分類・仕分け・検査・税関手続き・一時保管の一切を行うが、一般の倉庫とは区別され上屋は港湾運送事業法であり、倉庫は倉庫業法に属する。民間業者の上屋と港湾管理者の公共上屋がある。
アンローダー
岸壁において、ばら荷物を陸揚げするための荷役機械のこと。間欠式(ばら物をつかみ他の場所へ移す方式)と連続式及び真空吸引式等の2種類がある。逆にばら荷物を船積するための荷役機械はシップローダーと呼ばれる。

(画像出典:株式会社三井三池製作所HP)
ヴァーレマックス
ブラジル資源大手のヴァーレが建造を進める世界最大40万重量トン型鉱石船の船型。2011年5月にシリーズ第一船となる「Vale Brasil」(全長362m、幅65m、満載喫水23.0m、重量トン数402,347DWT)が就航。

カボタージュ
国家主権・安全保障の観点から、自国内の貨物又は旅客の輸送は、自国の管轄権の及ぶ自国籍船に委ねるべきとの国際的な慣行として確立した制度がカボタージュだ。海運の場合、国内の港間の旅客、貨物の沿岸輸送をいう。日本は国際慣行上確立された考え方に基づき、船舶法第3条において外国船舶によるカボタージュを原則禁止している。
ステベ
ステベとはステベドア(Stevedore)の略で船内荷役の請負業者のこと。港湾運送事業法上では一般港湾運送事業の無限定業種に該当し、荷主、船社の依頼を受けて船舶で運送される貨物を揚げ積みし、そのため船内、はしけ、沿岸、いかだの業務を一貫作業として行う。
エプロン
本船と直背後上屋又は荷さばき地との間で、貨物を円滑に移動させる場所のこと。
ギャング
船内荷役労働者の最少の作業班をギャングという。通常船内荷役では、貨物によって異なるが8~22名の構成人員だが、コンテナ船の場合には、1ギャング10名~12名程度となっている。
ケーソン
主として鉄筋コンクリートで造った箱状又は円筒状の構造物で、あらかじめ地上で製作した後、付加加重、掘削により、水中または土中に沈下させて設置する本体又は基礎構造物のこと。マチックケーソン、井筒、函塊の三種類に分類される。

マーシャリングヤード
港湾のコンテナヤード内にある、コンテナ船への積み下ろし作業順序に基づき、コンテナをあらかじめ配列する場のこと。船に積み込むコンテナを荷役順序通りに並べたり、船から陸揚げされたコンテナを一時的に保管し、受け渡しの準備をしたりする機能を持っている。
六大港
我が国の主要港のうち、東京港、横浜港(川崎港を含む)、名古屋港、大阪港、神戸港、関門港(下関港、北九州港)の6港をいう。
静穏度
港内の航路、白地の静穏の度合いのこと。船が運航したり係留する際の安全性を表す値。
ドルフィン
船舶係留のため水中に設ける柱上構造物で、陸から孤立している系船岸。系(繋)船杭ともいう。

(画像出典:横浜市HPより)
