美味しい野菜や果物が食べられるは冷蔵車のおかげです

街なかを走るトラックにはいろいろな種類があるが、なかでも宅配便に使用される一般的なバン型トラックを目にすることが多いだろう。そして、バン型トラックのボディ(荷台)の前部やボディのサイド下部に、大きな装置を付けているのが冷凍冷蔵車であり、こちらもよく見かけるトラックとなっている。この冷凍冷蔵庫は物流シーンにおいては非常に重要な役割を担っている上に、私たちの食生活にも大きく関係してくるのだ。

そこで今回は物流業界における冷蔵車のあれこれを探ってみたいと思う。

まず冷凍冷蔵車といっても冷凍車、冷蔵車、保冷車といくつか種類があるので簡単に説明しておこう。まず冷蔵車と保冷車だが、これは食品や医薬品などの冷蔵・冷凍品を輸送するために使用される車両だ。

そして冷蔵車は車両内部を特定の温度に保つために、搭載された冷却装置で空気を冷却できるという特徴がある。この冷蔵車は、食品や医薬品はなど適切な温度管理が必要なものの運搬には必要不可欠で、温度が上がることで品質が劣化してしまうようなものの運搬に使われることになる。

では温度を管理できる冷蔵車がどこで活躍しているかといえば、身近なところでは市場だろう。こうした市場で扱う品物の中で青果や鮮魚を業界では「追っかけ」と呼ぶ。

追っかけは青果など生鮮食品を、鮮度を保つために時間との勝負で運送する仕事を指し、生産地市場から卸売市場への輸送が主なもので、セリの順番が遅れないようにトラックが次々と出荷される様子が由来と言われている。

青果は温度管理が非常に重要で、温度が適切に管理されていないと品質が低下し、商品価値が失われる可能性がある。そのため、中古トラックを選ぶ際には冷蔵機能がしっかりと動作することを確認する必要があり、冷蔵ユニットの信頼性が高く、修理やメンテナンスが容易であることも重要なポイントとなる。

こうした生鮮物を運ぶ際には、細やかな注意点もたくさんある。例えば新鮮なうちに消費者に届けたい青果物の場合、早く届けることを重視しすぎるとトラックの速度を上げることになる。しかし速度が上がれば道路や車体から伝わる衝撃によって青果物同士がぶつかり、傷が発生することが考えられる。その結果傷から水分が出ると、カビが発生したり腐ってしまう場合もあるのだ。

またルーズな梱包方法も問題点のひとつ。いくら慎重にトラックを走らせたとしても、梱包がルーズだと傷みが生じる可能性がある。青果を入れる箱だけみても箱が大きすぎれば、なかで青果物が動いて互いに傷をつけてしまうため、荷物の大きさに合った箱を選ぶことが必要となってくる。

また運送の際の積み込み方にも青果物が入った段ボール箱を山積みにすると、重みが下の段ボール箱にかかり破損につながるので、中身が動かないサイズの段ボール箱に入れ、車の荷台には平たく積むのがポイントなのだ。

こうしたデリケートな青果類を何種類も運搬するときに活躍するのが多温度対応車両だ。

多温度対応車両には通常 2~3つの貨物室があり、それぞれが特定の温度範囲を調整して維持できる。

(画像出典:TOPOLO New Materials)

https://jp.topolocfrt.com/

例えば、冷凍エリアは-18~-20℃に保たれるが。 冷蔵エリアは2~8℃の温度範囲で管理できるといった具合だ。また室温エリアの温度は通常、周囲温度(15~25°C) に維持され一部の果物、野菜、一部の医薬品などの商品は、この温度範囲内で輸送する必要がある場合に使用される。

この多温度冷凍トラックは多くの産業で使用されており、店頭配送、花と植物の配送、学輸送などで活躍している。

特に一部の化学物質は温度に非常に敏感で、輸送中に特定の温度範囲を維持する必要があるため、 多温度帯冷凍車は、こうした化学品に適した温度環境を提供することができるというわけだ。

外から見ると冷蔵車、冷凍車、保冷車はなかなか区別がつきにくいが、どれも温度管理を必要とする品物を運搬しているという共通点がある。我々の食卓に新鮮な野菜や果物が並ぶのも、こうした技術の粋を結集したトラックがあるおかげなのだ。

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