無線はレトロな通信手段なのか? 昨今の無線事情

ひと昔前はトラックといえば無線というイメージがなかっただろうか? 強い電波を出す無線を積んだトラックが街道を走ると自動ドアが勝手に開く、走行中のバイクのエンジンが突然止まるなど、本当か嘘かわからない都市伝説のような話もあったが、真相は定かでない。

そんな無線だが、今はどうなっているのだろうか。スマホの普及で消滅してしまったのか? それともアナログの強みもあって未だに健在なのかを調べてみた。

結論からいえば、一時期はトラックドライバーの必需品でもあったトラック無線は、近年急激にその数を減らしている。その理由は「スマホ・携帯電話の普及」と「取り締まり」だ。

今やスマホを持っていない人は少数派となり、誰でも通話や調べものが簡単にできる。そしてトラックの無線が通信手段の主役だったのは携帯電話がない時代だというのは想像ができるだろう。さらに現代のスマホは携帯電話時とは比較にならないほど、その性能がアップしている。電話連絡以外にもサービスエリア情報や位置情報、ルート選択など、利便性を考慮すれば、現段階では最強といって差し支えない。

つまりスマホ1台あれば、通話、情報交換と取得、ルート検索などすべてが事足りてしまうわけだから、さすがに無線の出番はないといったところか。

その一方で違法無線取り締まりというのも無線が衰退していった原因のひとつだ。

「国内で認可されていない出力・周波数で交信する無線機および、そうした無線機を用いて行う無線交信の方法」が違法無線と呼ばれるが、電波法に基づき、無線局を開設するには、免許または登録が必要となる。そのため無線を使用するには免許や登録資格が必要になるわけだが、それらを無視して使用するドライバーが多くいたため違法無線の取り締まりが強化されたというわけだ。

もちろん違法無線で摘発された場合は罰則もある。無免許で電波を発射すると、不法無線局を開設・運用したとされ電波法違反となり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処される可能性がある。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金の対象なので、けして軽い罪でないことがわかる。スマホが普及した今、こうしたリスクを冒す意味はなく、その結果、無線自体を避ける人が多くなったというわけだ。

しかし、やはり無線にはファンも多くロマンもある。もうしばらくすると消えてしまう文化かもしれないが、旧き佳き時代という意味も含め、トラックドライバーたちが使う無線用語の一部を紹介しておこう。

棺おけ

バンやウイングなどの箱型トラックのこと。

ちょんまげ

ユニック車のこと。クレーンが荷台についている姿がちょんまげに見えることから。

ぶっちゃけ

ダンプトラックのこと。積んでいる荷物を一気に降ろす際のイメージから。

男の花道

国道1号線のこと。

お二階さん

高速道路のこと。普通道路が1階部分だとしたらその上を走るところから。

銭箱

有料道路の料金所。お金を支払う箱型の建築物。

ハイジャック

高速に乗ること。

ルート0号線

裏道のこと。

045

トイレのこと。「おしっこ」のごろ合わせ

QR

渋滞のこと。

月光仮面

白バイのこと。

やっちゃば

青果市場のこと。

ワシントンチャーリー

トイレ(W.C)のこと

ページトップに戻る