物流という言葉よく聞くが、正確に内容を説明できる人はそれほど多くないだろう。逆をいえば、何となくだがどういうものかを知っているというケースが多いとも言える。そこで今回は物流について基本的なことをおさらいしてみようと思う。
まず物流という言葉の意味だが、簡単に表現するとそれは「商品の流れ」のことだ。では最近はCMでも耳にする機会も増えた「ロジスティクス」は、供給に関わるプロセスを一元管理するシステムのことを指すのだ。
では物流をさらに細かく見てみよう。物流は5つにわけることができる。それぞれが調達物流、生産物流、販売物流、回収物流、リサイクル物流だ。
まず調達物流だが、これは商品の生産に必要な、原材料を調達する流れのことだ。そして生産物流は、調達した部品・原材料を工場内で加工・包装し、商品にする工程を意味する。さらに 販売物流は倉庫から小売業者・消費者へ商品を届ける過程のことなので、一般的に物流と呼ばれるのは、この販売物流のことを指すと考えて問題ない。
この販売物流の先にあるのが回収物流だ。これは動脈物流（調達・生産・販売）と静脈物流（回収・リサイクル）に分けることができる。
特に回収物流は使われなくなった商品や容器・包装を集めるリサイクルの入り口となり、リサイクル物流へとつながっていく。リサイクル物流は回収された商品や包装を再資源化する流れであり、空き缶、ペットボトル、古紙などがそれにあたる。
こうした物流の種類に加えて、さらに配送と輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報管理という6つの機能が物流にはある。
配送と輸送は、文字どおり商品を移動させる業務で、物流コストの大半を占める重要な機能だ。
そして生産された商品を、倉庫などに保管する業務も物流の重要な機能のひとつ。物流倉庫が活躍する機能であり大型の倉庫から地域密着型の小規模倉庫まで形態は様々。この流れのなかで、さらに重要な機能が荷役と言われている機能。読み方は「にえき」ではなく「にやく」だ。
荷役には、積み降ろし、運搬、入庫、出庫、仕分け保管（棚入れ）、ピッキング、検品、梱包、などに細分化され、昨今ではＡＩの導入やマシンテクノロジーを使ったマテリアルハンドリングの導入も進んだことで、各作業の効率もアップしている。
続いては商品の品質維持、デザイン性向上のために行われる包装業務だ。包装には個装、内装、外装の三種類がある。
そして物流が終盤へと向かうと流通加工にたどり着く。これは出荷時にタグやラベルの貼りつけ、切り分け、詰め合わせ、洗浄などの作業が行なわれる。
こうした流れをまとめるのが情報管理だ。これは受注から配送完了までの情報を管理する業務で、他の5つの業務の効率化のためには必要不可欠のセクションといえる。
我々の日常生活とは切っても切れない物流なのだが、こうして再確認してみると細分化された各セクションが効率よく連携することで、素早く荷物が届いたり、商品が破損したりすることもなく店頭に並んでいることが理解できる。消費者として、物流の中身を少しでも知ることも無駄ではないと思うのだがいかがだろうか。
