今更だけれど、なんで燃料にはガソリンと軽油があるのか

やっと暫定税率の廃止が決まって、少し燃料油も下がってきている。何が正しいのかはわからないが、諸外国に比べると日本の自動車燃料に対する課税はやや過酷な感じがしないでもない。もともと、わが国ではほとんど原油が取れないから、大量の国内消費に対応するためには輸入に頼ることになる。しかし、主たる原油輸出国である中東やロシアは共に地域情勢や政情が安定せず、原油価格が高止まりしやすい。そこに、円安が追い打ちをかける。この上何重にも課税されたのでは、ドライバーや運輸事業者はたまったものではない。

こういった構造的な問題もあって、ガソリンスタンドの経営は楽な状況にはないのだそうだ。セルフサービスのスタンドが増えたのは、人件費コストを下げるために必然的なものだったのだろう。このセルフスタンドには日中にこそ係員はいるものの、ドライバーが声をかけなければ特に接客を行わない。ゆえに、ドライバーはレギュラー・ハイオク・軽油と書かれた3本のノズルから、自分の車両に適したものを選んで給油をすることになる。

レギュラーとハイオクはオクタン価こそ違うが、どちらもガソリンである。これに対して軽油はディーゼルなので、それを使うエンジンの構造が根本的に違う。絶対に間違って給油してはいけない燃料なのだ。それでも「軽」油なので軽自動車用と勘違いするドライバーもいるという。万一間違って給油した場合は一度燃料を抜いて洗浄などを行わねばならなくなるために、しばらく車両を使用できなくなってしまうから注意が必要だ。

そんな間違いが起きるリスクがあるのに、なぜ燃料油にガソリンと軽油があるのであろうか。その理由は、両者の性質の差が車両特性の違いに密接な関係があるからだ。ガソリンは引火しやすく、軽油は発火しやすい。引火とは火種を用いて火をつけることで、発火とは高温になるなどして自然に火を噴くこと。このそれぞれが持つ性質を利用することで、エンジンの特性が分かれるのだ。

ガソリンエンジンは、点火プラグで火花を起こして燃料を爆発させる。ゆえに、圧縮比は11以下に設定されている。これに対してディーゼルエンジンは、高圧化して空気と混合させることで自然発火を促す。このときの圧縮比費は、20前後になるという。この違いにより、ディーゼルエンジンは低回転域で大きなトルクを得られて、燃費が良いという特徴を持つので、トラックやバスといった大型車両に用いられるのである。

ちなみに、ガソリンエンジンは静粛性に優れていることに加え、加速性能が高くてエンジン製造コストを抑えられるというメリットがあるので、主に乗用車に採用されているのだ。わが国では東京都が厳しい排気ガス条例を敷く際に、ディーゼルエンジンの排気ガスを問題視したことから、ディーゼル車にあまり良いイメージを持たない人も少なくない。しかし、技術の進歩は著しく欧州ではクリーンディーゼルが、多くの乗用車に採用されている。いずれわが国でも、環境にやさしく経済的なエンジンとして、ディーゼルエンジンが認知される日がくることになるだろう。

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