
街中でたまに見かける「高圧ガス」という文字が書かれたステッカーを貼っているクルマ。これはどのような意味があって、どんなガスを取り扱っているのかを詳しく知っている人は少ないかもしれない。そこで、この高圧ガスについて説明していこう。
まずガスといえば家庭で使う都市ガスやプロパンガスな真っ先に思い浮かぶと思うが、このほかにもガスバーナーやガスボンベなども、ガスにまつわる一般的なキーワードだ。そのなかでも、高圧ガスとは何なのかを解説しよう。

一般には大気圧より高いガスを「高圧ガス」と呼び、高圧ガス保安法では、常温で1MPa以上または35℃以上で1MPaとなる圧縮ガス(アセチレンガス除く)、加圧冷却して液状にし、常温で0.2MPa以上または35℃以上で0.2MPaとなる液化ガスのことを指す。このほかにも、その他アセチレンガスと政令で指定されたガスも含まれる。そしてその種類はI類(可燃性ガス・酸素)、Ⅱ類(毒性ガス)、Ⅲ類(LPガス)、Ⅳ類(特殊高圧ガス)に分けられている。
こうした高圧ガスを運搬する際に貼られるのが高圧ガスステッカーだ。高圧ガスステッカーは、正式には警戒標といい、蛍光色の黄色による「高圧ガス」の文字が書かれている。
高圧ガスステッカーは、公道及びそれに類する場所に高圧ガスを積載して移動する際には、周囲への注意喚起として貼られるが、それは高圧ガスを積載している危険性を周囲に知らせる意味を持っている。つまり安全を確保する為に、高圧ガスの移動車両に貼られているというわけだ。では、高圧ガスを移動するときに、このステッカーを貼らない場合はどうなるのだろうか?
高圧ガスステッカーは、高圧ガス保安法の第23条第1項に、「高圧ガスを移動するには、その容器について、経済産業省令で定める保安上必要な措置を講じなければならないこと、並びに第2項の車両(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第2条第1項に規定する道路運送車両をいう)により高圧ガスを移動するには、その積載方法及び移動方法について経済産業省令で定める技術上の基準に従ってしなければならない。」と定められているため、高圧ガスを積載して移動する場合は、貼ることが義務付けられているので、万が一高圧ガスを積載しているのにもかかわらず、ステッカーを貼らない場合は違反となる。
だだし、以下のような場合は違反にはならない。毒性ガス以外のガスで、容器の内容積が20L以下である充てん容器等のみを積載した車両であることと、当該積載容器の内容積の合計が40L以下である場合は、高圧ガスステッカーは貼らなくても問題ない。

次に実際に高圧ガスステッカーを貼る場合、その位置やサイズに規定についてだが、高圧ガスを移動する車両の前方および後方から明瞭に見える場所に掲げる必要がある。タンクローリー、大型トラックなどの大型車両の場合は、車両の前部および後部の見やすい場所に貼らなければならない。また小型車両であれば、両面標示のものを運転台の屋根の付近の見やすい場所に貼ることと決められている。
さらにステッカーの大きさにもルールがあり、横寸法を車幅の30%以上、縦寸法を横寸法の20%以上の長方形とし、黒地の金属板にJIS K 5673「安全色彩蛍光塗料」の蛍光黄による文字で「高圧ガス」と記載したものが標準となっている。
ただし、正方形や正方形に近い形状のものを用いる場合には、その面積を600㎠以上とするというルールもある。
つまり貼る場所、大きさ、色、形などが細かく決められているのが高圧ガスステッカーというわけだ。

