これは便利! 冬用タイヤ自動判別システムの話

降雪時に高速道路を走行しているとき「冬用タイヤ規制」に遭遇することがある。これは高速道路を安全に走行するために、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤなど)またはタイヤチェーンなどの滑り止め装置を装着しないと走行できないのが冬用タイヤ規制のことだ。冬用タイヤ規制を行っている場合は、四輪駆動車でも冬用タイヤまたはタイヤチェーンを装着していない車は走行できない。

しかし、多くのクルマが走行している高速道路において、装着しているのが普通のタイヤなのか、スタッドレスタイヤなのかを判別するのは人が人の目で1台1台確認する必要があった。これはいうまでもなく大変な労働なのだが、その労力を一気に削減できるシステムがある。それが冬用タイヤ自動判別システムだ。

このシステムは今まで人の目によって確認していたタイヤの種類を、走行中のタイヤのトレッド面を撮影し、スタッドレスタイヤ特有の溝を検出することにより、スタッドレスタイヤかどうかを自動判別してくれるのだ。そして、判別結果を即座に音声および画面で誘導員に通知する仕組みだ。さらに30km/h 以下の走行速度に対応可能なので、これまでのように休憩施設などに車両を誘導したのち、クルマを一時停止させてしてタイヤ種別をチェックするという流れが一気に解消できることになる。相乗効果として、タイヤチェック時に発生する渋滞も減少させることができるというスグレモノなのだ。このシステムを開発したのは西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社だ。

このメリットしかない自動判別装置の実力をもう少し探ってみよう。

まずシステムが正常に稼働する条件だが、昼夜・乾燥湿潤問わず判定が可能となっている。また判別の際、停車の必要はなく、速度は30㎞/h以下での走行が推奨されている。

ただし、現時点ではスタッドレスタイヤ・ノーマルタイヤの判別のみで、オールシーズンタイヤはノーマルに判別されてしまう。(ただし、スノーフレークマークがついたオールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤに判別することがある)。

動いているクルマのタイヤの種類を判別するというのは、ちょっと考えただけでもかなり複雑なシステムが必要となるのは想像できる。実際の冬用タイヤ自動判別システムは、1秒間に約50枚撮影を行ない、カメラの前を通過するタイヤを検出して自動判別を行なっている。そして判別にはAIも活用され、スタッドレスタイヤ特有のサイプと呼ばれる細かい溝やタイヤのパターンを見て判別している。この判別のために開発時にAIにスタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤなど実際に使用されている約1万5千本ものタイヤを学習させたという。さらに路面の状況は天気や時間帯によって大きく変化するため、様々な条件のもとで撮影したタイヤ画像をAIに学ばせたのだ。

冬用タイヤ自動判別システムの導入前は、誘導員が車を誘導し、タイヤチェック要員が1台ずつクルマを止めて目視でタイヤをチェックしていた。そのため、クルマを止めることによる渋滞が発生するのと同時に、冬用タイヤ規制対象の地域はマイナス10℃などの過酷な環境になることも少なくない。そこで長時間に渡り作業する誘導員やタイヤチェック要員の負担を減らすために生まれたのが冬用タイヤの自動判別システムだ。

この冬用タイヤ自動判別システムの開発秘話や実際の運用の様子は以下のサイトで知ることができるので、興味がある人は覗いてみるといいだろう。

西日本高速道路エンジニアリング四国株式会社

https://www.w-e-shikoku.co.jp/

動画

https://www.w-e-shikoku.co.jp/product/product-445/

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