
高速道路の分岐点などで黄色の大きなドラム缶のような物体を見たことがないだろうか? 見た目からも素材が金属ではないことがわかるが、この正体について解説していこう。
まず、この黄色いドラム缶のような物体の名前は「クッションドラム」だ。高速道路の分岐点や駐車禁止区域、事故多発地点に設置されているケースが多く、黄色に赤と白の市松模様の反射シートなどを貼った大きな樽形で、素材は樹脂製。その正体は衝突衝撃緩衝具のひとつだ。


この衝突衝撃緩衝具(以後クッションドラム)は角形と丸形の2種類が存在し、それぞれ角型クッションドラムは道路分流部などに設置しやすく、丸型クッションドラムは汎用性が高いいろいろな場面で活用されるという違いもある。
またクッションドラムの目的は衝突の衝撃を緩和・吸収であり、道路上の施設に車輛が前方不注意、脇見運転、居眠り運転等で道路上の施設に衝突したり、接触した際の衝撃を緩和吸収し、人身、施設の被害を小さくしてくれる。自動車がクッションドラムに衝突するとき、その運動エネルギーをドラムの変形と内部の液体(水)により、流動するエネルギーに変換し、衝撃を緩和減衰吸収するという構造だ。
具体的には60km/hでセダンタイプの乗用車が、クッションドラム→コンクリート製の固定壁に衝突したときの最大加速度は、3点式シートベルト装着時の乗員安全の加速度限界値(25G)を大幅に下まわる性能を持っている。
こうしたクッションドラムだが、その価格はひとつ1万5000円~2万円程度であり、一般でも入手ができる。

さらにクッションドラムの進化系と言える製品も存在する。それが提灯ドラム(発光式追突衝撃緩和装置)と呼ばれるものだ。
これはクッションドラムを発光させることで、視認性を向上させた新しい安全対策装置だ。特徴としては、作業車両のクッションドラムが発光することで視認性が向上する。車両後部で大面積を占めるクッションドラム自体が発光するため、周囲へ十分な存在感をアピールできる。
またスイッチひとつで点灯し、車両走行時は自動消灯するため、クッションドラムを搭載した工事車両ドライバーの操作負担はない。さらに既存車両への取る付けも可能であることから汎用性も高いといえる。追加機能としては標識装置の表示内容を妨げることのない照度に調整されている。

事故を起こさなければ機能しない装置ではあるものの、万が一のときには運転者を守ってくれる心強い、それがクッションドラムだ。目にする機会も多いので、ただ通り過ぎるのではなく余裕があれば少し注目してもらいたいと思う。
(画像出典:首都高施設メンテナンス株式会社)
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