
埠頭のみならず、一般公道でも見かけることが多いコンテナ。色やデザイン、ロゴマークなどはバリエーションも多いが、その姿自体は珍しいものではない。多く人が知っているということは、それだけ普及している証拠であるのだが、実はこのコンテナ、20世紀最大の発明のひとつといわれるほどスゴイものなのだ。そこ今回は見慣れてはいるが、実はとんでもないコンテナの歴史を紹介しよう。
コンテナは大きさが規格化されているが、この規格化されたた箱を輸送に使用することで、安全で高効率な輸送が可能となったのだ。そして、ただの箱のように思えるコンテナは物流シーンに大改革をもたらした。
コンテナが登場する前の海上輸送には、荷役時における貨物の盗難や輸送中のダメージが多いこと、納期の定時性が保証されていない、荷役や運送の効率が悪いという問題点があった。しかし、この問題を一気に解決したのがコンテナというわけだ。

ここで少しその歴史を振り返ってみよう。
コンテナを使用した物流の歴史は、1956年まで遡る。起源はアメリカのニューアーク港で、クレーンによる荷役だといわれている。記録としてはアルミ製の箱58個を船に積み込み、5日後にヒューストン港で荷揚げ。その後、トラックによって目的地に運ばれたとなっている。
この58個のコンテナ輸送を実現したのはアメリカの陸運業者マルコム・マクリーンであり、この人物は「コンテナの父」といわれている。ではなぜマクリーンはコンテナ輸送を思いついたのかと言うと、そこにはこんな背景があった。
マクリーンは一代で米国屈指の運送会社を築いた人物だが、彼がコンテナ輸送に尽力したきっかけは、非常に合理的な理論の上に成り立っていた。当時の法律では陸運と海運は完全に別扱いとなっており、船は移動速度が遅いため鉄道やトラックに比べ安い運賃設定が認められていた。これはハイウェイの渋滞回避に加えて、コストが安いというメリットがあったのだ。そこでトラックごと船に乗せて運ぶというアイデアを思いついたが、その後コンテナのみを積み込んだ方がたくさんの積み量が確保できることに気が付いた。このアイデアもとに出来上がったのが船舶用コンテナだ。

こうして物流に革命を起こしたコンテナ輸送だが、最初からすべてがスムーズに進んだわけではない。特に規格の統一や既得権益などの問題が普及の前に大きく立ちふさがった。しかし、そうした問題も1960年代後半ベトナム戦争によってその有効性が広く認められたことがきっかけとなり、わずか数年で急速に広まっていったのだ。
港での荷役作業では、規格化されていない貨物の積み替えに大変多くの労働力が必要であったため、現在と比べてはるかに人件費と時間がかかっていたが、コンテナ輸送の登場から3ヵ月後、荷役コストは約40分の1にまで激減したといわれている。
こうした歴史を背景に普及したコンテナだが、それが現在でも広く使われていることから、その有用性は説明するまでもないだろう。
最後に数あるコンテナのなかからいくつかを抜粋して、その種類を説明しておこう。
ドライコンテナ
一般的な海上コンテナ。陸上では倉庫として使用可能。
リーファーコンテナ
冷蔵、冷凍など温度管理が可能で生鮮食品、生花、冷凍食品などの輸送に用いられる。一時保管場所や倉庫としても使用可能。
タンクコンテナ
タンク本体を枠で支えるコンテナで液体、ガス、化学薬品などの輸送に用いられる。
ベンチレーターコンテナ
通風孔のついたコンテナ。
オープントップコンテナ
天井部分が取り外しできるので、コンテナ上部からの荷役作業ができる。高さのある貨物の輸送に用いられる。
ペンコンテナ
動物を運ぶためのコンテナで通風、給餌、排泄に考慮された構造が特徴。
