トラックは金属とプラスチックとゴムの塊じゃなかった

トラックがどんな素材で作られているかを考えたときに、多くの人は鉄とプラスチックとゴムでできていると答えるだろう。もちろん、それは間違いではないし、外からトラックをじっくり観察しても、金属とプラスチックとゴム以外は見当たらないかもしれない。そこでまず、トラックの姿を想像してほしい。そのなかに上記3つ以外の素材があるだろうか。無理やりほかの素材を上げるとすればシートや内装に布類が使用されていることくらいだろう。

しかし、実際のトラックにはもうひとつ使われている素材がある。そこで今回はその素材について紹介していこう。

まず金属、プラスチック、ゴム以外の素材が使われている場所だが、これは荷台部分だ。そしてこの荷台部分に使われるのが木材であり、これは床材とも呼ばれるものだ。

荷台の床材は、荷物を安定して運ぶために重要な役割を果たすため、床材には、鉄板・ゴム・樹脂のほかに木材が使われる。

ではそれぞれに特徴や適した用途を説明していこう。

トラックのイメージともっとも離れている木材だが、実は多くのトラックに採用されている。木材は適度な弾力性があり、荷物への衝撃を緩和してくれる上に、​他の素材に比べて比較的安価で、コストパフォーマンスに優れているのがメリット。さらに​切断や加工が容易で、荷台の形状や仕様に合わせた調整がしやすい優秀な素材だ。

そして木材の種類にもいろいろあるので説明していこう。

ひとつめは竹だ。竹は成長が早く環境負荷が少ないため、トラックの荷台床材として使われることがある。軽量かつ強度が高いのが特徴だ。また竹集成材は後述するアピトン材より約10%軽く、大型トラックでは床材を竹に変更することで約40kgの軽量化が可能となっている。さらに切断や穴あけが容易であること、水や湿気に強く、防腐処理を施せば長期間使用できることなどから、アピトンの代替として使われている。

次にアピトンだが、これは東南アジア原産のフタバガキ科の木材で、耐久性・耐水性・耐摩耗性に優れており長期間の使用にも耐えられる強度を持つ。そのため荷物の積み降ろしが多いトラックに適している。また防虫・防腐性防虫成分を含み、長期間の使用が可能だが近年では供給量が減少している。

3つ目の木材はラワンだ。ラワンは軽量かつ加工性に優れているうえに、比較的安価で、それなりに強度が高く加工しやすい素材だ。しかし耐久性や耐水性は高くないので、使い方によっては交換サイクルが早くなる。

こうしたトラックの床材は、定期的に張り替えることも説明しておこう。

トラックの荷台や床板が劣化した場合は張り替えが必要となる。これは劣化した床板が積み荷の落下や事故の原因となるためだ。腐食やひび割れが進むと、積み荷の重量で新たな穴が開くリスクが高まり、積み込み作業中に足を踏み外して怪我をする危険などもあるため張替えは必須となるわけだ。

この張り替え費用は、車両サイズや素材、床板だけの交換か、根太(梁と同じ役割を果たす床を支える補強材)を含めての荷台全体の交換かによって変わってくる。一部の例を挙げると小型トラックの場合、木材張替えで5~15万円、鉄板使用なら10~20万円の材料費がかかる。また大型トラックだと、木材で15~30万円、鉄板で20~40万円となるが、これにはあくまでも材料費なので、別途工賃が発生する。こう考えるとトラックにもなかなか高額な維持費が必要になるのがわかる。

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