個人所有のトラックを改造!? 趣味でアートトラックを楽しむ

乗用車は多くが個人所有であり、その保守・管理は所有者(ドライバー)の責任で行なわれる。これには、車両を維持するために行なうメンテナンスのほかに、ドライバーが扱いやすいようにカスタマイズすることも含まれるのだ。たとえば、タイヤの幅を太いサイズに変更するとか、スポイラーを取り付けるなどといったことなどがそれにあたる。また、車内にドリンクホルダーをつけたり、ドライブレコーダーをつけたりするといったことも含まれるだろう。

トラックは主に業務に使用される貨物車であるから、ドライバーは長時間運転することが多いために、車内外を少しでも快適な空間にカスタマイズしたいという心理が働くのは当然のことだ。これが趣味・嗜好の世界に走ると、衆目を集めるデコレーショントラック(デコトラ)になるのかもしれない。

しかし、法律の壁や荷主・着荷先の都合などから、昭和の時代に流行したタイプのド派手なデコトラは影を潜めつつある。トラックが荷物を運ぶ仕事をしている以上、派手な装飾を忌避する荷主や着荷先の意向を無視するわけにはいかない。とはいえ、趣味・嗜好を大事にしたいというトラックドライバーは一定数存在する。彼らのなかには、荷主や着荷先といった取引先の影響を受けないように、自家用トラックでカスタマイズを楽しむ人もいるのだ。

彼らは、運送業以外の仕事をしながらトラックをカスタマイズしていることが多い。車両は様々だが、予算や車庫の関係から小型トラックが多く選ばれるという。あるドライバーは、三菱ふそうのキャンターをベースにカスタマイズを楽しんでいる。輸送業に使用する車両ではないので、カスタマイズも少し変わっていて荷室を純和風の「部屋」に仕上げているのだ。

この車両は「事務室車」の扱いで、「特種用途自動車(特殊作業、8ナンバー車)」として登録されている。「事務室車」とは、移動先で事務作業場・会議室・休憩場所などとして、利用できるように特別に設計された車両のこと。細かな構造要件が決められており、それをクリアしなければ登録ができない。しかし、構造要件の範囲ならばカスタマイズには自由度があるということであり、荷室に純和風の居室を作ることも可能になるのだ。

あるいは、仕事には使用しないトラックをイベント車として所有し、様々なパーツを取り付けて同好の集まりに参加しているドライバーもいるという。乗用車やバイクのカスタマイズも決して安価にできるものではないが、トラックは本体を含めてかなり多額の資金が必要だ。そのため、計画的に少しずつ進めていかざるを得ないから、完成までには相当の年月を必要とする。手間をかけて仕上げられたデコトラには、ふたつと同じものがない。個人的な趣味・嗜好から出発しているものながら、その完成度の高さは誰もが認めるところなのではないだろうか。

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