よく聞くんだけど、玉掛けってなに?

トラックドライバーとして持っていると便利だといわれる資格にはいろいろある。その代表格はフォークリフト免許だ。積み荷を乗せたり降ろしたりする場面で、ドライバー自身がフォークリフトを操作できることができれば、それだけ時間短縮になるケースもあるからだ。このフォークリフト免許と同じく聞くのが「玉掛け」というものだ。文字からはいまいち想像しにくいこの資格。しかし所有していると非常に役立つのは間違いない。そこで今回は玉掛けについて調べてみた。

玉掛け免許、玉掛け資格の正式名称だが、これは「玉掛け技能講習修了」という。玉掛け免許や玉掛資格はあくまでも通称ということだ。

では玉掛けとは実際にどんな作業なのだろうか。簡単に言うと、重い荷をつり上げるクレーンのフックに、荷を掛けたり、外したりする作業のことだ。

玉掛けがどんな作業なのかは理解できたと思うが、なぜ玉掛けという名前なのか不思議に思わないだろうか? その名前から吊り上げるものが球状だから玉掛けと言われると勘違いしているケースはよくあるが、実は名前の由来はいくつかあるので紹介しておこう。

その名前の由来には、大きく分けて3つの説がある。そのひとつ目は勾玉(まがたま)説だ。これは由来としては最も有力と言われている。古代の装飾品である勾玉は紐で吊るして身に付けるものだが、この「大切なものを紐で吊るす」という行為が、重量物をワイヤーなどで吊り上げる作業に転じたといわれている。

次に宝珠(ほうじゅ)説だ。これは神社仏閣などの屋根にある、先端が尖った丸い飾りを「擬宝珠(ぎぼし)」や「玉」と呼ぶが、こうした重くて丸い「玉」を、傷をつけないように縄で慎重に縛り、高い場所へ吊り上げたことから、吊り作業全般を「玉掛け」と呼ぶようになったという説。

最後は禅言葉・建築用語説だ。これは「玉」という漢字には「中心」「大切なもの」という意味が含まれることが由来とされている。クレーン作業において、荷物の重心(玉)をしっかり捉えてワイヤーを掛けることが最も重要であるため、「玉(中心)にワイヤーを掛ける」から「玉掛け」になったという考え方なのだ。

玉掛けの語源がわかったところで、次は玉掛け用具について説明していこう。玉掛け作業に使う用具には様々な種類があるが、主なものとしては、細いワイヤーをより合わせ、柔軟で強じんなワイヤーロープと、合成繊維で軽く扱いやすいベルトスリングがある。これらの玉掛け用具では、安全につり上げられるつり荷の最大荷重が決められており、これを安全荷重または使用荷重と呼ぶ。玉掛け作業をするときには、つり荷の重量以上の安全荷重の玉掛け用具を使用しなければならいというルールがある。現場に、つり荷の重量以下の安全荷重である細いワイヤーロープしかなかったが、これを使用して作業を進めるというのは絶対にNGなのだ。

では、玉掛けの資格を習得するためにはどうすればいいのだろうか。これは冒頭に玉掛け作業の正式名称が玉掛け技能講習修了だと説明したことからもわかるように、「玉掛け技能講習」を受けることで資格を習得できる。                      

玉掛け作業の資格は、使用するクレーンの最大つりあげ荷重が1トン以上では技能講習、制限荷重が1トン未満なら「特別教育」となる。つまり玉掛け作業の資格は、つり上げる荷の重量ではなく、使用するクレーンのつりあげ荷重で決まるので注意が必要だ。さらにクレーンの運転資格だけでは、玉掛け作業はできないのも注意点だ。

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