
夜間、それも深夜の工事現場で見けることが多いのがロードローラー。道路の舗装や土地の造成において、地面を押し固める(転圧する)ために使用される建設機械のことだ。もともとは蒸気機関で動いていたため「スチームローラー」と呼ばれていたが、ディーゼルエンジンが主流となった今でも「ローラー」という愛称で親しまれている。
正式名称は「締固め用機械」と呼ばれ、アスファルトや土砂を平らにし、密度を高めることで、重い車両が通っても沈まない丈夫な道を作る役割を担っており、見た目の構造はシンプルだ。
しかし、重いもので上から押して固めるという作業の中に、実際には目に見えない部分で非常の多くの技術が詰め込まれている。そこでここではロードローラーの詳細について解説していこう。
先ほどロードローラーはコンクリートやアスファルト、軟弱な地盤を締固める際に使用される建設機械だと説明したが、その機能は車両自体の自重だけでなく、振動を用いて作業を行なっている。
このロードローラーだが、いくつかのタイプが存在する。それがタンデム式ロードローラー、マカダム式ロードローラー、タイヤ式ロードローラー、コンバインド式ロードローラー、振動式ロードローラー、ハンドガイド式ロードローラーだ。
では簡単にそれぞれの特徴を説明していこう。
タンデム式ロードローラー

タンデム式ロードローラーは前後にひとつずつ鉄製の車輪が搭載されているロードローラー。特徴はローラーの幅が広く1度に多く転圧できることだ。タンデム式ロードローラーの主な役割は、コンクリートやアスファルトの仕上げ転圧作業。
マカダム式ロードローラー
マカダム式ロードローラーは、鉄製のローラーが後方にふたつと前方にひとつの計3輪搭載されているロードローラー。締固め性能が高いのが特徴。主な役割は、道路工事の初期転圧で、ローラーに水や鉄を用いたウェイトを追加することにより、さらに自重を増やせるのも初期転圧で使用されるポイント。
タイヤ式ロードローラー

ローラーの代わりにゴム製のタイヤを搭載したロードローラー。騒音・振動を抑えられる。主な役割はアスファルトなどの仕上げ転圧で、ローラーの代わりにゴム製のタイヤを搭載しているため騒音・振動が少ない。また滑らかなタイヤの特性を活かした仕上げ転圧作業ができるが、ゴム製のタイヤは適度にメンテナンスが必要となる。
コンバインド式ロードローラー

前方に鉄製のローラー、後方にゴム製のタイヤを搭載したロードローラーで幅広い転圧作業に対応が可能。コンバインド式ロードローラーの特徴は、鉄製のローラーとタイヤのメリットを活かしながら転圧を行えるのが特徴。
振動式ロードローラー
振動式ロードローラーは車体を振動させることにより、自重の3倍〜4倍の力で転圧を行えるロードローラー。高い転圧能力がある一方で、騒音・振動がすさまじいため、使用できる場所が限られる。
ハンドガイド式ロードローラー
ハンドガイド式ロードローラーは自身の腕で押しながら操作する小型のロードローラー。
小型で小回りが利くロードローラーで車両が入れないような狭い場所での転圧作業を行なえる。
このようにいろいろなロードローラーがあるが、その転圧の方法にもバリエーションがある。ロードローラーが地面をカチカチに固められるのには、単に「重い」だけではないのだ。
大きく分けると、「静荷重(自重)」「振動」「こね返し」という3つの仕組みがある。静荷重(自重)による転圧はもっとも基本的な仕組みで、機械自体の重さを利用して、上からギュッと圧力をかけて土やアスファルトのなかにある「空気」や「水分」を追い出している。
さらに振動による転圧(ダイナミック転圧)は最近の主流となっている。仕組みは、 ローラー(鉄輪)の内部に「偏心重り」という、あえてバランスを崩した軸が入っていて、これを高速回転させることで、ローラー全体を激しく上下に振動させる。この振動によって土の粒子同士の摩擦が一時的に弱まり、粒子がより密に詰まった状態(高密度)になり、自重だけで固めるよりも数倍深いところまで力が届くのが特徴。

最後はこね返し(ニーディング効果)だ。
タイヤローラーと呼ばれる、ゴムタイヤが並んだタイプが得意とする仕組みで、ゴムタイヤ特有の弾力性と、複数のタイヤが少しずつ重なり合って回転する動きを利用している。 地面を単に叩くのではなく、手で粘土をこねるように動かすことで、アスファルトの表面を緻密に密着させ、水が染み込みにくい丈夫な道路に仕上げることができる。
また、このほかにもアスファルトを固める際、熱いアスファルトが鉄輪にくっつかないよう、常に水を霧状に吹きかけて表面を冷やす仕組みや、車体の真ん中が折れ曲がる構造になっており、狭いカーブでも前後の車輪が同じ軌跡を通るため、踏み残しがなくきれいに仕上げられる装備などが備わっている。
工事現場をゆっくりと進みながら圧力をかけていくロードローラー。もし見かけたらどの方式で転圧しているのかをチェックしてみるのも面白いかもしれない。
