ポピュラーなのにドライバーから不人気? 平ボディの不思議

トラックの荷台には様々な形状があるが、圧倒的に多いのは箱バンと平ボディであろう。箱バンの基本形は荷台後部に開閉ドアを持つタイプだが、サイドにもドアがついていたりウイングを装備していたりするなど、様々なタイプのものが存在する。これに対して平ボディは、荷台のデッキまわりをアオリで囲んであるだけというシンプルな形状。汎用性が高く、様々場所で活躍している。

平ボディの荷台はその名のとおり平たいので、様々な形状の荷物をたくさん積載することができる。ゆえに、運送業として荷物を運搬するだけではなく、農業・引越し・建築関連などといった幅広い事業者が利用しているのだ。このように、大変使い勝手が良いにもかかわらず、ドライバーには敬遠されがちなのだという。

その最大の理由は、荷物の保護に手間がかかるからだ。トラックに載せる荷物は、運搬中に落下などの事故が起きないようにすることや、傷がついたり壊れたりしないように保護しなければならない。箱バンなら、荷台は丈夫な高い壁や屋根に囲まれている。しかし、平ボディは低いアオリしかない。そこで、ロープやシートをかけるという作業が必要になってくるのだ。

荷台の下にたくさんあるフックひとつ1つにロープをかけ、荷物が動かないように縛るのは簡単な作業ではない。荷物が崩れるなどしないように、ある程度力をかける必要がある。また、ロープには特殊な結び方があるのでそれを覚えておかねばならない。さらに、風雨から荷物を守るためにシートがけをする場合も少なくないのだ。これがまた重労働なのである。

慣れていないドライバーが平ボディ大型トラックでこの作業を行なうと3時間程度かかることもあるという。何しろ、10トンクラスのトラックにかけるシートの重さは、おおよそ50㎏にも達するというから、その大変さは想像に難くない。もし、雨や雪が降って強い風に見舞われているようなときの作業であれば、さらに多くの時間と労力が必要になる。こういった事情を考えれば、平ボディを担当したくないというドライバーの心情もうなずけよう。

ただ、すべてのドライバーが同じように考えて平ボディを敬遠しているわけではない。実は、平ボディならではの荷積みのメリットもあるのだ。それは、工場や倉庫に設置されたクレーンを使って、重い荷物を積むことができることである。箱バンと違って屋根のない平ボディは、上から荷物を積むことが可能だ。荷物によっては、フォークリフトよりも効率よく荷積みをすることができるのである。

このように、トラックはそれぞれ目的を持って荷台形状が考えられている。平ボディのように荷積みの汎用性を高めれば、それだけ荷積みの手間がかかってしまうこともあるだろう。しかし、様々な大きさの荷物をランダムに積むことができる手軽さは、箱バンにはないメリットといえる。ドライバーにとってはいずれのタイプも一長一短があり、好き嫌いが分かれるのは仕方がないことなのである。

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