トラックなどの車両のパーツといえば、金属・ゴム・樹脂・布などが一般的だ。これは、強度・柔軟性・使用感・コストなどの様々な要素を考慮し、そのバランスを考えて選定されている。とくに内装には布や樹脂が加工がしやすいというだけではなく、低コストで調達できるということも相俟って、重宝されているようだ。
しかし、製造したものは必ず処分しなければならないときがくる。トラックも以前より長持ちするようになったとはいえ、ある程度使用すれば廃車を考えなければならなくなるだろう。かつてはスクラップ工場に持ち込み、プレスして処分するなどといったこともあったようが、現在では極力リサイクルすることが求められているのだ。
その具体的な制度としては、「購入した自動車にリサイクル料金を預託した証明」するリサイクル券の発行が挙げられよう。ここで徴収された料金は、
・自動車を解体・破砕した後に残るシュレッダーダストの再利用
・エアバック類のリサイクル
・カーエアコンのフロン類を破壊するための費用
などといったことに使われる。
こういった制度は、環境対策の必要性からルール化されたものだ。しかし、このような直接的にリサイクルするといったことだけが、環境を守る手法ではない。他の業界で排出されたものをリサイクルし、新車のパーツとして使用するといったやり方もあるのだ。その具体例が、トヨタ車体が開発を進めている木材パーツなのである。

これまでも、高級車などに木材パーツが利用されていた例がある。ただ、それは材料木から製材したもの。トヨタ車体が開発する木製パーツの原材料は、本来廃棄物として処分される間伐材を利用したものなのである。木を成長させるためには適度に間引く必要があり、その際に出るのが間伐材だ。材木となるほど成長していないために、通常は廃棄処分されている。

この間伐材を、樹皮と幹に分けて粉砕する。そうして取り出した植物繊維に可塑性プラスチックを加えることで強度を出し、パーツの原材料となる植物繊維強化プラスチックにするわけだ。すでに、フォグランプブラケット・ワイヤーハーネスカバー・バッテリーキャリアなどといったパーツが、製品化されて世に出ている。また、車両パーツ以外にも、オフィスチェアなどの試作品が作られており、今後の展開に期待が寄せられている。
おもしろい素材として注目を集めているのは、ホタテの貝殻である。

青森県などホタテの養殖が盛んなところでは、漁港付近に多くのホタテ加工工場が並んでいる。ここから排出される大量の貝殻は廃棄するしかなかったが、これを粉砕して加工すればプラスチック樹脂に似た素材ができるのだ。これを加工することで、様々なパーツを作ることができる。

また、バイオマス原料を配合したポリシートの開発なども進められている。このシートは、整備工場やディーラーで使用する汚れ防止用のハンドルカバーやシートカバーなどに、加工されているのだ。こうのような原材料を積極的に導入することで、地球環境にかかる負荷が軽減されることに期待が寄せられているのである。
