外からはわからない物流倉庫の中身って?

物流倉庫は外観だけ見ると巨大な箱にしか見えないが、中には「そんなことまで!?」という面白い工夫や驚きの事実が詰まっている。一般的な利用方法は物流の中継地点としてモノ預かり出荷、管理することだが、知れ以外の部分で、外からではわからない豆知識をご紹介しよう。

「荷物の場所は1cm単位で管理」

広大な倉庫の中で、スタッフやロボットが迷子にならないよう、棚の場所にはロケーション番号という住所が振られており、これは「○号棟・○列・○段目」といった感じだ。最近の大型倉庫では、GPSやセンサーを使って数センチ単位の精度で荷物の位置を管理している倉庫も増えてきている。

「歩かなくても物が探せる」

倉庫の中では人が歩き回って荷物を探すことが多いが、今のハイテク倉庫は荷物の方から人に会いに来るスタイル「GTP: Goods To Person」が増えてきている。小型の自動掃除機のようなロボットが棚ごと持ち上げて、作業員の目の前まで運んできてくれる。これにより、作業員の歩行距離が1日10km以上減ったという例もあるほどだ。

ちなみにGoods To Person(GTP)とは、物流倉庫でロボットやコンベヤが商品(Goods)をピッキング作業者(Person)のもとへ自動で運ぶシステムのこと。人が棚へ行く「ピッキング」から、棚が人のところに来る「定点ピッキング」へ転換し、大幅な省人化・効率化を実現している。

「出荷予測の精度格段にアップしている」

大手倉庫では、AIが注文を予測して、注文が入る前に対象商品を近くの倉庫へ移動させておくことがある。これは「この地域でこの気温なら、明日はこの飲料が売れる」といったデータに基づき、在庫を先回りさせる技術なのだ。

「水平すぎる倉庫の床は」

自動走行ロボットや、高さ10メートル以上の棚を扱う倉庫では、床の水平度が非常に重要なポイントとなる。わずか数ミリの傾きが、高い棚の頂点では数十センチのズレになり、荷崩れの原因になるからだ。そのため、特殊なレーザー機材を使って超平滑に仕上げられた、非常に高価な床が使われている。

「物流のパンクを防ぐために」

バラバラの注文(洗剤、本、お菓子など)を効率よく箱に詰めるため、倉庫内では「バッチピック」という手法が使われる。これは 一旦、複数の注文をまとめてドサッと回収し、後からトランプを配るように仕分けることで、移動の手間を最小限に抑えられるのだ。

「冷凍倉庫」

マイナス20℃〜30℃以下の世界は、物流の中でも最も過酷な現場のひとつ。極低温の環境ではまつ毛も鼻の中も凍ってしまう。これはマイナス20℃以下の環境は、数分いるだけで呼気に含まれる水分が凍り始める温度だ。そのため、まつ毛に霜が降りて白くなったり、鼻の中の粘膜がパリパリに凍ったりするのは日常茶飯事。

「結露という最大の敵」

冷凍倉庫で最も神経を使うのが、温度差による結露。暖かい休憩室から倉庫に入った瞬間、あるいはその逆で、メガネやゴーグルが一瞬で真っ白に曇り、視界がゼロになる。またフォークリフトなどの精密機器も、外気との温度差で結露するとショートして壊れてしまうため、冷凍庫専用の特殊な車両が必要で、メンテナンス費用も高くなる。

「インク」が出ない、「スマホ」が死ぬ

極低温下では、当たり前に使っている道具が役に立たなくなる。例えば普通のボールペンはインクが凍って書けなくなるし、スマホやタブレットのバッテリーは寒さに弱く、フル充電でも一瞬でシャットダウンすることもある。倉庫内で使う端末は、ヒーター内蔵の冷凍専用モデルが使われる。

 「床の凍結の対策」

実は、冷凍倉庫の床下には「ヒーター」が通っていることがある。冷やしているのになぜ?と思うかもしれないが、床下の土壌が凍ってしまうと、氷の膨張で地面が盛り上がり、倉庫の建物自体を破壊してしまう凍上現象が起こるからだ。

このように、目には見えない工夫や技術が盛り込まれている物流倉庫。時代とともに進化し、自動化がどんどんと進むのはまちがいなさそうだ。

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