
タイヤは外見が黒くて丸いといった単純な形状をしていることもあり、一般的な消耗部品と同様に扱われがちである。そのために、あまりきちんとメンテナンスをしていないドライバーも多いようだ。しかし、車両の中で唯一地面と接するパーツであり、乗員の命を支えているといっても過言ではない。日頃から安全のために、ひび割れ・傷・残溝・異物の挟まりなどの点検を、習慣づけておくことが大切だといえよう。
同時に、きれいに手入れをしておくことも忘れてはいけない。とくにトラックは、長距離走行や悪路走行をすることも多いので、タイヤやホイールに汚れがつきやすい。土埃に加えてピッチ・タール・ブレーキダストなどが付着すると、見た目にかっこうのよいものではないといえよう。このように汚れた足回りで荷主や着荷先を訪れれば、「荷物の扱いも雑なのでは?」という誤解を招きかねないのだ。

そこで、トラックドライバーは常にバケツやブラシを搭載し、水道のある場所に着いたときに足回りを洗うといった努力をするのである。ただ、水洗いだと汚れを落としただけに過ぎない。黒光りするきれいな艶を求めるのなら、タイヤワックスを使うことが望ましいのだ。ただし、アルコールを含有しているものはゴムの劣化を招くことがある。頻繁に使用するのであれば、ノンアルコールの水性タイプがおすすめだ。

ホイールは大別して鉄製とアルミ製があり、どちらも汚れが付くと落とすのに苦労をする。鉄製は丈夫なので、少々強くこすっても大丈夫だ。しかし、アルミ製は傷つきやすいので気を付けなければならない。また、メッキ・ポリッシュ・塗装などが施されているため、汚れが原因でくすみが出たり素材が劣化したりすることがある。ゆえに、手入れを頻繁に行う必要があるのだ。
汚れが付着して間もない時期であれば、高圧洗浄機を使えば比較的簡単に落とすことができる。少し時間が経つなどして落としにくくなった汚れは、洗剤とブラシを使用する。洗剤は、ボディ用か足回り専用のものが望ましい。界面活性剤が含まれているので、汚れを浮かして落としやすくする作用がある。
ブラシはアルミを傷つけにくい豚毛製が好まれているが、最近ではさらに進化したスポンジブラシを使用するドライバーが増えた。素材にはポリプロピレンが採用されており、毛の部分を細かな網状にすることで、固着した頑固な汚れをきれいに掻き出すことができる。ただ、ホイールのデザインによっては細かなところにブラシが届かないことがある。このような場合は、使い古した歯ブラシなどを利用すると便利だ。

きれいに磨き上げたタイヤやホイールも、走行すれば再び汚れが付着する。これを少しでも防ぐ、あるいはついた汚れを落としやすくするためにはコーティングをするとよい。タイヤ用では、洗浄後にスポンジなどで塗布するタイプのものが主流だ。ホイール用には塗布タイプのほかに、手軽なスプレータイプのものもある。足回りは、意外と周りの注目度が高い。少々面倒さはあるものの、常にきれいな状態を保っておきたいものだ。

