高速道路の舗装は特別仕様だった

日本の高速道路の舗装は、過酷な使用環境(重交通・高速走行・気象変化)に耐え、かつ安全性を高めるために、一般的な道路とは異なる高度な技術が凝縮されている。現在の主流は「高機能舗装(排水性舗装)」というもので、日本の高速道路の約8割以上で採用されているのだ。この高性能舗装はアスファルトの混合物の中に隙間(空隙)を意図的に作ることで、優れた機能を持たせたものであり、雨天時の排水性に秀でている。具体的には 雨水が舗装表面にたまらず、隙間を通って路肩へ排水さるという仕組みだ。

排水性は高いことで、ハイドロプレーニング現象を防ぐと同時に、前走車の水しぶきを抑える効果もある。さらに騒音を抑えることもできる。これはタイヤと路面の間で圧縮された空気が隙間に逃げるため、走行音を吸収・低減するためだ

こうした舗装構造の高速道路は、単なる厚いアスファルトの層ではなく、何層にも分かれたマルチレイヤー構造になっていることにも注目したい。この層にもそれぞれ役割があり、タイヤが直接触れる部分では、耐摩耗性、平坦性、滑り抵抗が求められる。また、基層表層にかかる荷重を下層に均一に伝える役目がある。

(画像出典:一般社団法人 日本アスファルト協会)

http://www.askyo.jp/knowledge/06-2.html

次に路盤だが、これは砕石やセメントなどで固められた強固な層のことだ。重い車の荷重を支える役目があり、ここがしっかりしていないと、道がすぐに凹んでしまう。

次に舗装に使用される素材だが 高速道路には大きく分けて2種類の舗装材料があるので、それぞれの違いを説明していこう。

まずアスファルト舗装だが、これは 施工が早く、走行性能(静粛性・クッション性)が良い。その反面で、コンクリートに比べて寿命が短く、わだち掘れができやすいという弱点もある。

いっぽうでコンクリート舗装は 非常に耐久性が高く、長期間メンテナンスが不要なためトンネル内などでよく使われる。しかし、 継ぎ目があるため振動や騒音が出やすく、補修に時間がかかるのだ。

最近では、コンクリートの耐久性とアスファルトの静粛性を掛け合わせたコンポジット舗装なども採用されている。

こうした 舗装路面だが、近年のメンテナンス技術の向上により、高速道路は「走りながら直す」時代に突入した。その代表が自動点検だ。これは 特殊な計測車両が時速100kmで走行しながら、路面のひび割れや凹凸をレーザーでスキャンしてくれる。さらに短期間の通行止めで広範囲を補修するため、速乾性の高い材料や、大型の重機を投入したリレー方式の工事が行われる。

では雪国の高速道路はどうだろうか? 降雪地帯では積雪や凍結、そして除雪車による物理的なダメージなど過酷な環境になることが多い。そこで「材料の強化」「凍結防止」「視認性確保」が重要となる。

雪国では冬の間、タイヤチェーンによる削れ、そして除雪車の「プラウ(金属のブレード)」が路面をこする衝撃に耐える必要がある。そのため通常よりもゴムやポリマーを多く混ぜた、粘り強く弾力のあるアスファルトを使用し、除雪車などの衝撃による剥離やひび割れを防いでいる。また摩耗に強い硬い岩石を混ぜることで、路面が削れて「わだち」ができるのを遅らせる工夫もされている。

このほか路面凍結に対しては、橋梁や急勾配の坂道など、特に凍結しやすい場所に電気ヒーターや温水パイプを埋設し、路面温度を一定に保つロードヒーティングや、舗装の中にゴム粒子を混ぜ、車が通るたびに路面がわずかにたわむことで、氷の膜を砕いて定着を防ぐ凍結抑制舗装などもある。

さらに舗装の隙間に塩化カルシウムなどの凍結防止剤を封入したカプセルを混ぜ込み、少しずつ成分が溶け出すことで路面が凍る温度を下げる仕組みや、吹雪や積雪時の視認性確保のために、高機能区画線: 雪に埋もれても見えやすいよう、ガラスビーズを多く含んだ反射率の高いラインを引くことで対策している。

こうした様々な技術や工夫により、安全に走行できる道をなっているというわけだ。高速道路の路面を間近で見ることはできないが、まさに縁の下の力持ちと言えるだろう。

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