乗用車の後部には「お先にどうぞ」とか「赤ちゃんが乗っています」などといった、ステッカーなどが貼られていることがある。いうまでもないが、これらは車両の持ち主が勝手に取り付けているものだ。乗用車の後部に掲示されているもので、法的に装着義務があるのはナンバープレートぐらいであろうか。
ところが、トラックなど商用車の場合は、法律で装着が義務付けられている掲示が多々ある。もっともポピュラーなのが、「最大積載量」であろう。これは、貨物車両であれば必ず表示してある。簡単にいうと、その車両に積むことができる荷物の最大重量のことだ。似て非なるものに、「車両総重量」や「車両重量」がある。これら3者の関係は、下記の式で表すことができる。
最大積載量=車両総重量-(車両重量+乗車定員×55㎏)
この式からも明らかなように、同じトラックでも架装などによって車両重量が異なれば、積める荷物の重量は変わってくるということである。

次によく見かけるのは、「危」「毒」「高圧ガス」「火」といった看板の掲示だ。これは、車両が積載しているものを表している。通常の荷物とは違い、それぞれ取り扱いに注意が必要なものばかりだ。「危」は危険物のことで、具体的には引火性のあるものを運ぶ場合に取り付ける。「毒」は、毒劇物。塩素・ニトロベンゼンなどといった、毒物や劇物の輸送車両に掲示しなければならない。
「高圧ガス」は、ボンベなどに詰められた高圧ガスを運搬する車両に掲出する警戒標。ガスの中身が何であれ、高い圧力がかかっていれば爆発などの危険がある。ゆえに、周囲に注意を喚起しているわけだ。「火」は燃えている火のことではなく、火薬のことを指している。この掲示がある車両に積まれている荷物には、火薬のほかにも銃の実包・雷管・信管などが含まれる。これらを少しでも積めば「火」と掲示しなければならないというわけではなく、それぞれ一定以上の量を運搬するときにのみ表示の義務が発生する。

逆三角形の表示があれば、それは「緩和標章」だ。これは、車両が道路運送車両法・保安基準の規格をオーバーしているものの、それが許可されていることを示すものである。要するに、規格が緩和されていることを表しているのだ。車両の限界値ともいえる「車両制限」を超えるほど大きいということだから、大型車両に限られる標章である。

同じ三角形でも、正三角形のリフレクターであれば意味が大きく違ってくる。これは、トレーラーであることを示すマーク。トレーラーは全長が長いので、追い越しに時間がかかる。後続車に注意を促す目的で、取り付けるものなのだ。ゆえに、トレーラーヘッドの後部ではなく、牽引されるトレーラーの後部に装着する。

7tを超えるトラックの場合は、大型後部反射板の装着が義務付けられている。これには、赤と黄の縞模様になったものと、縁が赤色で中が黄色のものの2種類がある。また、ダンプトラックの後部には独自のナンバーが振られている。正式には「ダンプ表示番号」といい、一目で地名や使用目的などがわかるようになっているのだ。このように、トラックなどに付けられているこれらの掲示にはそれぞれ深い意味がある。なかなか教わる機会は少ないが、知っておいても決して損はないといえよう。

