ガソリンスタンドなどで自動洗車機を使ったことがある人は少なくないと思う。さまざまな洗車メニューを選ぶことができるうえに、ほとんどがオートメーションで手軽であることから、休日や悪天候の後などは長い行列ができるとても珍しくない。マイカーを持っている人にとっては非常に便利でありがたい自動洗車機だが、トラックの自動洗車機に関しては一般的な乗用車とは少し事情が違うようだ。そこで今回はトラックの自動洗車機について解説していこう。

一般的に洗車機というと普通乗用車向けの機械を想像するが、ガソリンスタンドによっては、大型洗車機を置いている店舗が存在する。大型車専用洗車機も一気に汚れを落とせるため、洗車が楽に済むのは乗用車と同じだ。
しかし大型洗車機を使うトラックを眺めていると乗用車用の洗車機と違う部分を見つけることができる。中でも最も印象的なのが、トラックを洗車機に入れているときドライバーはキャビンから出て外から眺めていることだ。乗用車の場合は洗車機のメニューを選び、お金を入れその後は、車内で洗車が終わるまで待機というのは普通だ。
しかし大型トラックの自動洗車機を利用する際、ドライバーが車外に出て待機しているのには、主に安全管理と車両の特性に起因するいくつかの明確な理由がある。
その一つが物理的な安全確保のためだ。大型トラック用の門型洗車機は、乗用車用よりもはるかに巨大で強力なブラシが高速回転している。そのため洗車機が車体に接触する際の振動や音は非常に大きく、車内にいると予期せぬ揺れで身体をぶつけるリスクがある。また緊急停止の判断もドライバーが洗車時外に出ている理由としてあげられる。外部にいることで、万が一ブラシがミラーやパーツに引っかかった際、すぐに状況を視認して停止ボタンを押したり、スタッフに伝えることができるからだ。

ここまでで解説したトラックドライバーがなぜ洗車機に入れたときに外で見ているかということをまとめると、安全確保と事故防止、緊急時の退避、機器の構造とルールの違いということになる。
さらに詳しく説明すれば「門型」自走式トラック洗車機は、車は止まったまま機械が前後するタイプが主流。そこで多くのガソリンスタンドや運送会社の洗車施設では、「洗車中は車外待機」が厳守ルールとして定められていることがほとんどだ。これは施設のルールとマナーであり、万が一機械が故障して閉じ込められたり、感電や火災などのトラブルが発生した際の避難遅れを防ぐための徹底した安全策なのだ。
また、操作パネルの場所の違いも大きく関係している。 洗車機の操作スイッチが車外の柱などに設置されていることが多く、一度降りて操作する必要があるため、そのまま外で見守る形になるというわけ
だ。

さらに車両の状態確認という側面もある。トラックは形状が複雑なため、機械任せにすると細部が洗いきれないことがある。外で見ていることで、機械が届かない場所(ミラー周りやキャビン背面など)を後で手洗いするための確認するため、キャビンの外でチェックしている。
このほかにも 走行距離の長いトラックは、パーツの緩みなどがあることもあり、洗車機の強い水圧で部品が飛ばされないか、異音がしないかなどを間近で監視しているドライバーもいる。
では、荷物を積むことを前提としたトラックだが、荷物を積んだまま洗車機に入れることはあるのだろうか? これはケースバイケースというのが正しいが、中にはウィングの可動部分から水漏れがすることが心配で荷物を積んだ状態では洗車機に入れないという人もいれば、あまり気にせず荷物を積んでいても洗車機に入れてしまうという人もいた。
またトラックの形状による洗車機の使う頻度についてだが、平ボディだと荷台が濡れるから ドライバーか避けるケースや、ダンプは砂、泥が流れてくるのでスタンド側でNGということもある。

最近はで「車内待機OK」の最新機種も増えているが、長年の習慣や「自分の相棒(トラック)が綺麗になるのをしっかり見届けたい」という職人気質なドライバーも多いようだ。
