窓越しに降り注ぐ強烈な紫外線、エアコンによる砂漠のような乾燥、そして不規則な睡眠。長距離ドライバーという職業は、美容において「もっとも過酷な環境」の一つと言っても過言ではない。もちろん男性だって日焼けやスキンケアに気を使う時代だが、女性ドライバーたちにとって、業務中の日焼けやメイクはいつだって最重要項目なのは間違いない。
そんな女性ドライバーたちの間では独自の美容術が進化しているようなのだ。限られた待機時間で行うシートマスク、ハンドルを握りながらの「ながらケア」、そして狭い車内を快適に変えるプロの愛用アイテムたち。ここでは、過酷な労働環境に屈することなく、「プロのドライバー」と「一人の女性」を両立させる彼女たちのリアルな身だしなみ事情を紹介していこうと思う。そこには、忙しい現代女性にも通じる「究極の時短&効率美容」のヒントが隠されているようだ。

女性トラックドライバーの美容事情は、実は想像以上に過酷で、だからこそ編み出された独自の生存戦略がある。24時間動く物流の世界では、「水がない」「時間がない」「場所がない」という三重苦がつきもの。それを乗り越えるには、彼女たちなりの工夫と努力がった。
トラック女子の3大美容大敵のひとつが「紫外線との終わりなき戦い」だ。トラックの運転席は、まさに動く日焼けサロン。とくに窓側の右腕だけが黒くなるのを防ぐため、真夏でも冷感素材のアームカバーは必須と言われている。

さらにいくらガラスがUVカット機能を持っていたとしても、長時間の直射日光は防げないの。そこでプロの女性ドライバーは「飲む日焼け止め」と「塗り直し」の徹底で対策している。また直射日光による目からの紫外線は最大の敵。シミ防止と路面の照り返しによる眼精疲労を防ぐため、偏光サングラスも愛用する人も少なくない。
次に、メイクや美容とは切っても切れない「バスタイム事情」を見てみよう。お風呂難民を救う時短術として有効なのがシャワー施設があるガソリンスタンドや、24時間営業のトラックステーション。しかしその数は限られているため、いつでもどこでもバスタイムと言うわけにはいかない。そこで洗顔代わりのふき取り化粧水が便利なのだ。水道が近くにない朝、大判のふき取りシートで汚れを落としつつ保湿まで完了させるのが鉄則。
また毎日お風呂に入れるとは限らない長距離ドライバーにとって、水なしで髪をリフレッシュできるドライシャンプーは神アイテム。さらにサービスエリアでパッと降りてすぐにお風呂へ行けるよう、スキンケアからヘアケアまでを詰め込んだ、機能性抜群の専用のスパバッグを作ることも非常に重要なポイントなのだ。

そして最後は車内での「ながら美容」。狭い運転席は逆の発想をすればプライベートなエステ空間にもなり得るのだ。例えば常にハンドルを握る手は乾燥しがちだが、ベタつかない高保湿なハンドクリームを選ぶのがいいのだそうだ。
長い荷待ちの時間は、格好の美容タイム。キャビンのカーテンを閉めたら、シートマスクで集中保湿をしたり、マッサージガンで足をケアしたりする人も。

こうした現場で支持される「愛用コスメ」の特徴は、ズバリ「崩れにくさ」より「お直ししやすさ」。
長時間の運転でヨレたとき、パパッとリセットできるクッションファンデが人気なんだとか。
さらに荷役作業で汗をかくことも多いため、絶対に滲まないウォータープルーフのアイライナーとマスカラも鉄板だし、リップは色持ち重視。
かっこよくトラックを操る女性だが、その陰で惜しみない美容への努力が行われているのだ。
