「飛び出し坊や」というキャラクターのことを知っているだろうか。エリアによっては全く知らないという人がいる一方で、毎日眺めているという地域もあるというぐらいの温度差はあるだろう。そこでまず飛び出し坊やの画像を見ていただきたい。

あこれか!と思う人もいれば、初めて見たという人まで居るだろうが、それは地域によって飛び出し坊やの設定率が違うからだろう。ではさっそく飛び出し坊やについて解説していこう。
「飛び出し坊や」は、交通安全のために通学路や交差点に設置されている、子供の姿を模した看板のことで、その発祥は滋賀県だ。飛び出し坊やの元祖は、1973年(昭和48年)に滋賀県東近江市(旧八日市市)の社会福祉協議会が考案したものとされている。これは急増する交通事故から子供を守るため、看板製作会社「久田工芸」の手によってデザインされた、というのがルーツなのだ。この初代モデルは「とび太くん」という愛称で親しまれており、赤いシャツに黄色いズボン、躍動感のあるポーズが特徴となっている。

とび太くんという愛称があると書いたが、実は飛び出し坊やという名前はある芸能人がネーミングしたという歴史もある。
それは1976年ごろ当時、18歳だったみうらじゅん氏が琵琶湖畔を知人の車でドライブ中、その看板を見て「飛び出し坊や」と、名付けたというものだ。つまり飛び出し坊やでもとび太君でも呼び方としては間違いではないということになる。(ここでは飛び出し坊やで統一して記事を進めていこうと思う)。
飛び出し坊やのデザインには大きく分けて3つの系統がある。まずそのうちの一つだが、「とび太くん」型(0系)と呼ばれるものは滋賀県で見られる。もっともスタンダードな切り抜きタイプで赤いシャツに黄色いズボンのシンプルな配色が特徴。ちなみに0系というネーミングもみうらじゅん氏が名付けたものだ。
次はパネル型で四角い看板にイラストが描かれているタイプ。比較的安価で、自治体などで広く採用されている。
そして最後が立体型: 樹脂などで作られた人形式のタイプ。夜間でも目立つように反射材が使われていることもある。
このように複数のデザインがある飛び出し坊やだが、地域ごとのバリエーションも豊富なのも特徴の一つ。特に滋賀県内では非常に密度が高く、ご当地デザインも豊富となっている。
このほかにも写・劇画風の飛び出し坊やは、昭和の雰囲気が漂う、かなりリアルなタッチで描かれた子供のイラストであったり、中には少し表情が険しいものもあり、運転者に強いインパクトを与えてくれる。
また最近では男の子だけでなく、女の子のデザインや、高齢者の事故防止を目的とし「飛び出しおじいさん・おばあさん」も増えている。
数々のバリエーションを生み出す飛び出し坊やだが、地元の有名キャラクターや、人気アニメの登場人物を模した看板が設置されていることもある上に、PTAや地元の自治会が独自に作成したもので、形や表情が一つひとつ異なる「世界に一つだけ」の坊やも存在する。

話題が前後するが、そもそも飛び出し坊やの設置目的と効果は運転者の視覚に訴えかけ、「子供が飛び出してくるかもしれない」という心理的な抑止力を生むことにある。最近ではそのレトロな外見や、地域ごとに異なるユニークな姿がストリートアートやサブカルチャーとしても注目されており、写真に収めるファンも増えているとのことだ。
飛出し坊やについてのより詳しい情報や歴史については一般社団法人東近江市観光協会の公式ホームページで見ることができる。興味のある人は是非一度のぞいてみるといいだろう
「飛び出し坊やと歩んだ50年」
