【なぜ荷待ちは減らない?】「早めに呼んでおく」荷主の心理とバース不足。ドライバーの時間を奪う“物流の闇”と予約システムの限界

「到着してるのに、なぜ積めない?」と車内でイライラする前に知っておきたい、荷待ち時間がなくならない荷主の都合とこれからの解消への道筋。

トラックが倉庫や工場の前で長く待っている光景は、物流の現場では珍しくない。予定時刻に到着しているのに、なかなか荷物を積めない。あるいは、届け先に着いても荷下ろしの順番が回ってこない。ドライバーは車内で待機し、時間だけが過ぎていく。これがいわゆる荷待ち時間である。

一見すると、現場の段取りが悪いだけのように見えるかもしれない。受付が混んでいる、バースが空かない、倉庫内の作業が遅れている。もちろん、そうした現場レベルの問題もあるだろうが、実は荷待ち時間がなかなかなくならない理由はもっと根が深い。そこには長年の商習慣、荷主側の都合、予約システムの限界、倉庫側の人員不足など、複数の要因が絡み合っているのだ。

たとえば、荷主側が出荷準備を終えていない状態でトラックを呼んでしまうケースがある。荷物がまだ揃っていない、伝票が整っていない、検品が終わっていない。そうなると、トラックは到着していても待つしかない。運ぶ側からすれば時間のロスだが、荷主側からすると、念のため早めに呼んでおきたいという心理も働く。結果として、そのしわ寄せがドライバーの待機時間になる。

また、倉庫側にも事情がある。入出庫の量が増えている一方で、作業員は十分に確保できない、フォークリフトの台数やバースの数にも限りがある、午前中や夕方など特定の時間帯にトラックが集中すれば、どれだけ現場が頑張っても処理しきれない、などだ。道路の渋滞と同じで、入口が限られている場所に一気に車両が集まれば、流れは必ず詰まると言うのは当たり前だろう。

しかし近年は予約受付システムを導入する倉庫も増えているため、何時にどのトラックが来るのかを事前に管理し、荷待ち時間は減らすことに成功している例もある。しかし、予約システムを入れればすべて解決するわけではない。前の作業が遅れればずれ込むし、道路事情で到着が遅れるトラックもある。急な出荷変更や荷量の増減もある。

さらに難しいのは、荷待ち時間がコストとして見えにくいことだ。燃料代や高速代、車両費は数字にしやすいが、ドライバーが何時間待ったかという時間の価値は、長く軽く扱われてきた。待つのも仕事のうち、現場では仕方がない、昔からそうだった。そうした感覚が残っている限り、荷待ちはなかなか減らないのかもしれない。

しかし、これからの物流では、待ち時間を当たり前にしておく余裕はない。ドライバー不足が進み、労働時間の管理も厳しくなるなかで、荷待ちは単なる無駄ではなく、輸送力そのものを削る要因になる。1台のトラックが長く待たされれば、その分、次の仕事に回れない。結果として、運べる荷物の量も減ってしまうからだ。

荷待ち時間をなくすには、現場の努力だけでは足りない。荷主、運送会社、倉庫、システム会社が同じ問題として向き合う必要がある。事前準備を徹底する、時間指定を現実的にする、予約枠に余裕を持たせる、作業人員を確保する。そして何より、ドライバーの時間にも価値があると認めることが大切ということだ。

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