大型トラックはなぜ古くても走り続けるのか? 走行距離100万km時代の寿命と買い替え判断

大型トラックは、乗用車とは比べものにならないほど長距離を走る。寿命を決めるのは年数や距離だけでなく、整備費と収益のバランス。日々の点検と丁寧な運転が長持ちの鍵となる。

10万kmは大型トラックにとって通過点

重い荷物を積んで、毎日あちらこちらを駆け巡るトラック。一般的な乗用車と比較すると、その使われ方がハードであることは間違いない。通常、自家用乗用車は「走行距離10万km」が買い替えや廃車の一つの目安になるという。なぜなら、それだけ走れば様々な部品を交換しなければならなくなって、メンテナンス費用が跳ね上がってくるからだ。

しかし、トラックならその程度の走行距離であれば、慣らし運転が終わってようやくエンジンが本調子を迎え始めた「通過点」に過ぎない。

走行距離が200万kmをオーバーした現役トラックがあることを、SNSで投稿したドライバーがいた。これは極端な例だとしても、トラックの寿命が長いということに疑う余地はない。ただ、トラックによって運行ルート・積載量・荷役の環境などといった条件が違うので、一律に「〇〇年で寿命」であると言い切ることはできない。

一般的には「10年〜15年程度」が使用年数の目安とされているが、同じ年数が経過したトラックであったとしても、その走行距離や消耗具合は個体によって驚くほど異なってくる。

本当の寿命を左右するのはコストの天秤

そのため、新車登録からの経過年数も目安にはなるが、実質的な寿命を左右するのは「コストの天秤」である。すなわち、トラックを維持するための費用、つまりメンテナンス費や修理代と、そのトラックが稼ぎ出す収益とのバランスが崩れた時こそが、本当の寿命を迎えたことになるわけだ。

いくら丁寧に乗っていても、機械である以上は経年劣化を避けられない。走行距離が伸びるにつれて、定期的なオイル交換や消耗品交換だけでなく、エンジン本体・トランスミッション・デフといった主要部品の大規模な整備が必要になってくる。

乗り続ければ乗り続けるほど修理代がかさみ、ある時「これ以上直して乗るよりも、新車に買い替えた方が安上がりだ」という逆転現象が起きる。この安全性とコストの限界点こそが、実質的な廃車・乗り換えのタイミングになってくるのだ。

大型トラックが長持ちする理由

こうした実情を踏まえれば、「より重い荷物を運ぶ大型トラックの方が、車体への負担が大きくて寿命が短いのではないか」と思われがちだ。しかし、実際は真逆なのである。2t未満の小型トラックの寿命が約20万kmといわれているのに対し、大型トラックは100万kmを超えても元気に走っている個体が多いのだ。

その理由は、過酷な長距離運行に耐えられるように、エンジン性能や各部パーツの耐久性が極めて高く設計されているからである。

さらに、運行環境の違いも大きい。大型トラックは小型トラックと違って長距離輸送がメインになるため、高速道路を一定のギヤと回転数で巡航する機会が多い。加減速が少ない高速クルージングは、エンジンやブレーキへの負担が比較的少ないのだ。

現代において、トラックは非常に高価なビジネスツールになっている。ゆえに、寿命が来たからといって気軽に買い替えられるものではない。だからこそ日々の運行前点検や定期的なメンテナンス、そして丁寧な運転が何より重要になってくるのだ。

人間の体と同じで、小さな異変を初期段階で見つけてケアすることが、長寿への一番の近道なのである。

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