フォークリフトは同じ2.5トンでも持てる重さが変わる! 「荷重中心」と許容荷重の秘密

フォークリフトの「2.5トン車」が常に2.5トンを持てるとは限らない。荷物の重心がフォークの根元から遠ざかるほど転倒させる力が増え、安全に持ち上げられる許容荷重は小さくなる。

最大荷重の数字だけでは判断できない

「2.5トンフォークリフトなら2.5トンまで持てる」と考えがちだが、実際は荷物の大きさと重心位置で条件が変わる。その基準となるのが「荷重中心」だ。荷重中心とは、フォークの根元から荷物の重心までの水平距離をいう。メーカーが示す最大荷重は、決められた基準荷重中心の範囲内で持ち上げる場合の数値である。

荷物が長く、重心がフォーク先端側へ移動すれば、同じ重量でもフォークリフトを前へ倒そうとする力が大きくなる。そのため実際に持ち上げられる「許容荷重」は最大荷重より小さくなる。

てこの原理で考えると分かりやすい

フォークリフトの前輪付近を支点とする「てこ」を想像すると理解しやすい。荷物が支点から遠ざかるほど、同じ重量でも前方へ倒そうとするモーメントは大きくなる。そこで車体後部には重いカウンターウエイトを搭載し、後ろ側とのバランスを取っている。しかしカウンターウエイトがあるから無制限に持てるわけではない。

長い荷物をフォークの先端付近だけで受けたり、アタッチメントを装着して荷重中心が前へ移動したりすれば許容荷重は下がる。高く揚げる条件によって能力が低下する機種もあり、必ず車体の銘板や荷重表で確認する必要がある。

「重量は範囲内」でも転倒事故は起こり得る

荷物の重量だけを見て「定格以下だから安全」と判断するのは危険だ。奥行きの長いパレット、重心が片側に偏った機械、長尺物などは、見かけ以上に荷重中心が遠くなることがある。フォークを十分に差し込まず先端で持つことも同じだ。さらに走行中の急旋回や傾斜、マストを高く上げた状態では安定性が低下する。

労働安全衛生規則でも、フォークリフトは荷の重心位置に応じた「許容荷重」を超えて使用してはならないと定めている。フォークリフトの能力は単純な「何トン車」という数字ではなく、荷物をどこで支えるかまで含めて決まるのである。

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